PCDJとしてのTRAKTOR性能
前回は基本的なポイントをお伝えしましたが、今回は個人的に思うスゴイところ(当たり前に出来ること)を紹介していきます。
わざわざ括弧で、当たり前に出来ることと記載しましたが、それはDJプレイでとても大事なことが、PCDJでも出来ているという意味になります。
つまり、プレイに際して必要なことが普通に出来るのがスゴイという意味合いです。
さて、ご紹介していくその前におさらいとして、TRAKTORはNATIVE INSTRUMENTS(ネイティブインストゥルメンツ社)のDJソフトです。
多くのDJやプロデューサーが愛用しており、とても優れたPCDJソフトになります。
ソフトの種類は通常モードのTRAKTOR PRO 2、DVS(デジタル・バイナル・システム)としてレコードにも対応したTRAKTOR PRO 2 SCRATCH版があります。
ただ、基本的にはPRO 2版だけで必要十分であり、レコードを普段使わない方はSCRATCH版の必要はないと思います。
TRAKTORのスゴいポイントはこれだ!!
- 曲の詳細情報がバッチリ分かるその解析力!
- 気持ちの良い音と繋ぎをさせてくれる抜群のイコライザー!
- 魅了させるプレイには欠かせない強力なエフェクト郡!
曲の詳細情報がバッチリ分かるその解析力!
TRAKTORだけでなく、PCDJソフトに曲を最初に読み込ませる際には、その曲がどういった内容かの解析を必要とします。
解析内容は、曲の時間やBPM、キー、そして音量などにあたり、それらをソフトに情報として残します。
そして、この解析により曲情報が読み込まれてプレイが可能になるわけです。
解析にかかる時間は曲の長さやPCのスペックにもよりますが、1曲大体数秒がかかるでしょう。
もちろん最初に行うだけなので、次回からの解析は行われません。 (曲の保存場所が変わったりすると必要になったります)
そしてこの解析ですが、上記に書いたように時間はもちろん、BPMやキーなどを解析してくれます。
その正確さがTRAKTORはとても秀でていて、TRAKTORとそのジャンルの曲に慣れていると、読み込んだ段階から波形や情報を見るだけでそれなりのプレイも可能になってしまうくらいです。
TRAKTORは多機能なので色々と目が行きがちですが、曲を読み込むというもっとも初歩の段階でのストレスを最小限にしているのは、普段使用する上でとても助かるポイントになります。
気持ちの良い音と繋ぎをさせてくれる抜群のイコライザー!
DJ機材は元より、音楽スタジオにも必ず設置してあるミキサーには、イコライザーという機能が付いています。
元々、音というのは周波数帯域によって聞こえ方が変わるのですが、イコライザーはその周波数帯域を区切ることができ、それぞれ帯域の音量を調整させることが出来ます。
無論、音楽スタジオのミキサーとDJミキサーの役割は大きく変わります。
音楽スタジオの場合は、それはもう各音の緻密な調整を行うためにありますが、DJミキサーの場合はプレイスタイルに合わせてその周波数帯の音を敢えてカットしたり、目立たせたり、曲と曲のミックスを行うために使われます。
PCDJであるTRAKTORでもイコライザーが含まれたミキサー機能はしっかり作られており、広域=Hi、中域=Mid、低域=Loと3つに分けられ、それぞれの周波数帯域の音量調整が可能です。
そして、ここもポイントなのですが、TRAKTORのイコライザーには6種類のタイプがあり、自分のプレイスタイルに合ったものを選ぶことが出来るのです。
例えば、イコライザーのツマミを最小まで絞っても音が出ているタイプのものや、完全に音をカットしてしまうものまであります。(タイプによってMidがMidHiとMidLoの2つに分けられるものもあります)
これらは往年のミキサー機材を模したものなので、そのあたりに詳しいともしかしたら懐かしい感じがするかもしれません。(私は正直そのへん疎いですw)
更に付け加えるとイコライザーの機能を一発で調整できるフィルターというものもあります。
これは一つのツマミを回すだけで広域か低域のカットが可能であり、こちらも3つのタイプから好きなものを選べることが出来ます。
フィルターはプレイを劇的に変えてくれる効果があるので、スタイルによっては多く使うようになります。
イコライザーとフィルターはエフェクトと違って大きな音の変化を楽しむものではありませんが、DJにとってミキサーの基本的機能であり、ミックスに於ける最も重要なポイントです。
それが、PCDJというデジタル制御にも関わらず、TRAKTORでもしっかり調整と操作が出来るというのは、安定したミックスに繋げることが出来るという安心感をもたらしてくれます。
ただ注意点として、音の気持ち良さを生かすも殺すもミキサー操作にかかってきますので、この操作には注意を払ってプレイしていきたいものになりますね。
魅了させるレイには欠かせない強力なエフェクト郡!
TRAKTORにも40種類以上ものエフェクト(FX=effects)が搭載されています。
エフェクトは曲を大きく変化させてくれるものであり、プレイスタイルを形成する上で心強い味方になってくれるものです。
TRAKTORのエフェクトは基本的なディレイやリバーブから、激しいノイズ系のものまで多種多様に揃っており、プレイの幅を広げてくれることは間違いありません。
これらエフェクトは、ボタンを押せば一瞬で最高の音を作ってくれるので、本当にDJプレイが気持ちよく出来ます。
そして、TRAKTORのスゴイところは、1曲に対しエフェクトが最大で12個も同時にかけられるのです(ソフトウェアとして)。
もちろん、プレイ上で12個をかけるととんでもないことになるのでそこまでやりませんが、複数かけられることで掛け算のように相乗効果を生ませることができます。
私もとても重宝しており同時に2つのエフェクトをかけたりしています。
また、各エフェクトには簡易的なグループタイプで3つのエフェクトを選ぶものと、より細かな調整が可能なシングルタイプで一つのエフェクトを選べるモードがあり、プレイスタイルに合わせてエフェクトをかけることができます。
私は基本的にグループタイプで、6つの好きなエフェクトをいつでもかけられるようにしています。(グループとシングルはボタンを押すだけでいつでも変えられます)
加えて、TRAKTORの場合はエフェクトをかけすぎても音が割れないように自動で調整してくれる親切設計です。
当然、そうはならないように音量の調整を先にする必要があるのですが、そこまで考慮してくれている設計のおかげで、焦って多重にエフェクトを使用してスピーカーに大ダメージを与えることようなことにはなりませんのでご安心を。
まとめ
これらは誇れるほど大げさな機能ではありませんが、どれもプレイに関わる根幹であり、とても重要なポイントです。
TRAKTORは選曲のしやすさから、基本的な音の調整についてきちんと考えられているので、いつでも心強く有意義なプレイをさせてくれます。
TRAKTORが、プロにも耐えうるソフトであるという証明と信頼がとても垣間見れる大きなポイントですね。
次は、TRAKTOR PRO 2のスゴイところ!その2を紹介します。