前回に引き続き、TRAKTORのスゴいポイント第二弾として、更にスゴいところをご紹介していきます。
(第一弾 TRAKTORのスゴいポイントはこれだ!その1 はこちらから)
TRAKTORの何たるかを知りたい方は PDDJで使われているTRAKTORってどんなソフト? から読み始めてください。簡単にまとめています。
今回は以下の3つをご紹介していきます!!
- TRAKTORはコントローラーが無くてもPCだけで動く!
- 音が4つのパートに別れるフォーマット、STEMSが素敵!
- サンプラーとしていつでも飛び道具に使えるREMIX DECK
TRAKTORはコントローラーが無くてもPCだけで動く!
TRAKTORはソフトウェアなので、きちんとPCだけで動作させることが出来ます。
今、はぁ?当たり前だろ?と思った方。分かります、その気持ち。
しかし、実はPCDJソフトとして有名なSERATO(セラート)というソフトは、起動しても今のところコントローラーを持っていないと動作してくれないのです。(これはちょっとマイナスポイントかなと思っています)
ところがTRAKTORの場合起動さえすれば、マウスでポチポチして操作することが可能なのです。これって結構大きなポイントになります。
例えば機能やプレイリストの確認などは、コントローラーが無くてもPC上でいつでも試せるというわけです。
機能としてみれば、ボタンやエフェクトなどの確認は元より簡易的に自分のプレイの確認も行えますし、しかもPCDJとしてのメリットでもある仕込みがおこなえるわけです。
すると、前回書いたiTunesライブラリとの連携や仕込みがここで効いてくるわけですね。
- iTunesでプレイリストを作る
- TRAKTORでそのプレイリストの曲を再生して繋いでみる
- iTunesに戻って再考する
- またTRAKTORでプレイリストを読み込み、繋いでみる
- 以下、終わるまで。
これが実に楽に行なえます。
私もプレイリストを考慮する際は本当に助かっていますね。何せPC開くだけですからね。
ラップトップ(ノートPC)なら家でも電車でもカフェでもどこでも出来てしまいます。
ただ、注意点としてコントローラーが無いと、リアルタイムに複数の操作が出来ないのでDJプレイには全く向きませんw っていうか出来ないので、その点はお間違いないように。
TRAKTORは30分間の使用制限があるデモ版を提供しているので、ちょっと試してみたい方はこちらからDLしてみてください。
また、コントローラーもネイティブインストゥルメンタル製のものでなくても動作が可能になっているので、持っている方は合わせて確認してみるといいかと。
音が4つのパートに別れるフォーマット、STEMSが素敵!
STEMSとは、NI(ネイティブインストゥルメンタル)が提唱している音楽ファイルフォーマットです。
ファイルの拡張子は『mp4』で、『wav』や『mp3』ではありません。
ただ、基本的にはiTunesでも読み込みが出来ますし、iPhoneや今ならほとんどのプレイヤーでも再生が可能です。
そして、このSTEMSをTRAKTORで読み込むと、何とこのフォーマット専用のプレイが可能になります。
STEMSは、実は一つのファイルフォーマットの中に、4つの音がパート別に収録されているのです。
ん?と思った方、こんな感じです。
STEMSフォーマットの曲にはドラム、ベース、メロディ、ボーカルというようにそれぞれの音が別れて収録されていて(曲にもよります)、それらを一つずつコントロールすることが出来るのです!
参考動画はこちら。
これらの4つのパートをそれぞれ独立して再生操作が可能になるので、最初はドラムを鳴らし、その後にベース、そしてメロディとボーカルを鳴らしていくというようなプレイが可能になります。
また、途中でドラムを止めたり、ボーカルだけのアカペラにしてしまうなど、プレイに合わせた音の抜き差しがいつでも出来るようになります。
DAWなどのDTMソフトを使用していれば何のことはないのですが、DJだけでこれができるのはプレイしていて本当に楽しくなります。
しかも、TRAKTORのスゴいところは、特にSTEMSモードなどに変更することが必要なく、普段のプレイ時にただSTEMSファイルを読み込むだけで勝手にTRAKTORがSTEMSとして認識するので、DJには何の手間もかかりません。
STEMSは本当に面白いので是非体験してみてもらいたいです!
そんなSTEMSにもあったちょっとしたデメリット!
どこで手に入れるの?
現在STEMSは海外の複数のオンラインストアで手に入れることが出来ます。ストアはBeatport、Bleep、Juno、Traxsource、whatpeopleplayになります。
ここで海外というキーワードが引っかかったアナタ!そうなんです。
海外なのでそのストア内に登録されてある曲しか基本的には無く、「日本人アーティストの曲が欲しい、アニソンが欲しい」などと思っても無かったりするわけです。
残念に思うのは分かりますが、限定したプレイばかりを考えずに、是非ご自身に合ったジャンルのSTEMSを探してみてください。
いい曲いっぱいありますから。
ちなみに、DTMをしているなら自分で作ることが出来るのでそれもオススメではあります。 (こちらを参考)
mp4だと音質の面はどうなの?
STEMSは、音を4つのパートに分けるという都合でファイルフォーマットをmp4にしているため、数値上でのbpsを見ると256kbps(VBR仕様なので可変)になっています。
ただ、iTunesストアで販売している曲も256kbpsと同様であり、そこまで気になる必要はないと思います。
私も現場でSTEMSをプレイしていますが、特に大きな違いを感じてはいません。
また、ネイティブインストゥルメンタルでは、全体を256kbpsにエンコードしているわけではなく、あくまでパートごとに256kbpsにエンコードしているので、総合すると音質は良いと言っています。
確かにファイルサイズを見ると数十MBにもなっているので、最高では無いにしろクオリティは担保されていると言っていいでしょう。
それよりも、とっても遊べるフォーマットSTEMSを存分に楽しんで欲しいですね。
これは、ちょっとしたtipsなのですが、STEMSは4つのパートに分けて音の操作が可能です。
そしてTRAKTORには4つのデッキがあります。つまり、事実上4x4=16のパート操作が可能になるのです。
実際にここまでやることはありませんが、例え2曲でも8パートなので、BPMとキーが合ってさえすれば、とても夢が広がるミックスが可能になるのです!
音楽を自分で操作している感覚は半端ないですね!!
サンプラーとしていつでも飛び道具に使えるREMIX DECK
REMIX DECKとは、一言で言えばサンプラーです。
ところがこれまたスゴい!
オリジナルでサンプルセットを作ることが出来、そのセットを保存しておけばいつでも読み込んでプレイに生かすことができます。
一つのサンプルセットには合計64個のスロットがあり、その中に好きな曲のループだったり効果音など何でも放り込んでおくことができます。
あとは必要に応じてプレイすればいいだけです。
そのサンプルセットには特に保存上限はないので、いくらでも保存しておけます。
まぁ、一つのセットに64個も入れることが出来るのであんまり作らないとは思いますがw
一番の使い方としては、やはりループや効果音を入れておくことでしょうか。
どちらにしてもプレイ上に刺激を与えたい時には大変オススメです。
プレイ操作としては、基本『ワンショット』と『ループ』で流すことになります。
『ワンショット』ならボタンを押したら再生して、音の終わりが来たら停止。(ボタンを押している間だけ再生もできます)
『ループ』はその音を繰り返して流すものです。
これらもその各スロット毎にワンショットかループ設定が可能なので、とても使いやすくなっています。
ではREMIXDECKのデメリットは?
実は専用のコントローラーが合ったほうが使いやすい
REMIXDECKはどうしてもスロットの数が多いので、ボタンが少ないDJコントローラーだとしっかりとした操作が出来ません。
つまり、よりボタンが多い専用のコントローラーがあった方が使いやすいものになります。(決して出来ないわけではないです)
事前の仕込みと個別の設定をしておかないといけない
見出しの通り、REMIXDECKは事前の仕込みと個別の設定が必須になります。
プレイ上で即座にREMIXDECKの設定などは出来ないと思ったほうが賢明です。
この辺はどうしても面倒であるのは間違いありません。
しかし、よりオーディエンスを沸かせた面白いプレイをしたいのであれば、こちらも強力な手助けになってくれるはずなので、時間をかけて仕込むのもアリかと思います。
最後に、STEMSとREMIXDECKが使えると分かった上でのもう一つのポイントとして、4つのデッキを使って更に多彩なプレイが出来ます。
例えばA、Bデッキは普通のファイル、CデッキはSTEMS、DデッキはREMIX DECKというように用意して、それぞれミックスすることも可能になります。
最早、ここまで出来ると本当にTRAKTORでのプレイが楽しくなります!
まとめ
今回は以下の3つをご紹介しました。
- TRAKTORはコントローラーが無くてもPCだけで動く!
- 音が4つのパートに別れるフォーマット、STEMSが素敵!
- サンプラーとしていつでも飛び道具に使えるREMIX DECK
TRAKTORとしての飛び道具はSTEMSとREMIXDECKですが、コントローラーが無くても単体ソフトして使えるという点もとても大事だと思われます。