はじめに
あなたはDJとして活躍されている中で、今現在選曲について悩まれていらっしゃってここに来たのだと思います。
確かにDJになると、どんな曲をかけるべきかどんな曲が好まれるのかなど、たくさんのことを考えますよね。
特にデビューして間もないビギナーの方だと、持っている曲を片っ端から聞いて、多くの時間をかけてセットリストを作ってイベント当日に臨んでいるのではないでしょうか。
私もそのタイプで、最初の選曲にはとても苦労しました。(今でも苦労することはありますけどw)
でも、実は選曲ってそんなに悩まなくて済むんです。
簡単に言ってしまうと、選曲のコツは自分だけのモットーを持ってしまうことです。
今回はそんなコツと考え方をまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
この記事を読めば、選曲に多くの時間をかけて頭を悩ませることがきっとなくなるはずです。
DJってどんな曲をかければいいの?
曲と言っても世の中にはそれこそ数多くの曲があり、今現在も常にミュージシャンたちに新曲が作られています。
それらの曲は、だいたいのジャンルが当てはめられ、曲のパターンとして形成されています。
その中で、DJとしてかける曲はどんな曲が適しているのでしょうか?
ちょっと時代をさかのぼりますが、大きく分けて2010年以前は、それこそハウス、テクノ、トランスなどのいわゆるエレクトロニックミュージックがかけられるのが当たり前でした。
しかし、2010年以降は有名DJやベテラン勢を除いて、小さな箱(クラブやライブハウスなど)ではあらゆるジャンルの曲がかけられるようになったと思います。
それこそ、ロック、ポップス、アニソン、ゲーム、演歌など多種多彩です。
その理由は、時代の流れも含めてちょっと一言では言えません。しかし、誰もが「これもアリなのかもね」という考えや価値観を持ったことが大きいとは思います。
その結果、初期のクラシックハウスを除きエレクトロニックミュージックから始まったDJカルチャーは、このジャンルを超えた現状に対して、本来のDJの在り方などの議論に発展するようにまでなってしまっています。(この話は趣旨が違うので割愛します)
そうした中で、エレクトロニックミュージックを聞いてDJとして活動したいという方よりは、自分の好きな曲やアーティストのDJイベントに行って、それを聞いてみてDJをやってみたいという方が多くなっていると思います。
そうなると、DJがかける曲というのはもはや垣根がなく、イベントのテーマに添うものであれば、どんな曲でも良いと言わざるを得ないと言えるでしょう。
ちょっと小難しい話になってしまいましたが、つまり肩ひじ張らずに好きな曲をかけるのが一般的になっているのです。(とは言え、エレクトロニックミュージックから始まったDJカルチャーはとても大きな礎なので、それは覚えておいた方がいいでしょう)
つなぎに関する記事も書いています。DJにとっても最高に気持ちいい『つなぎ』のテクニックとは? こちらも合わせてご覧ください。
選曲のかなめ、あなたのモットーを大事にしよう!!
好きな曲で良いと言われても困るというあなた。あなたには曲をかける上でモットーはありますか?
モットーとは方針や目標などの意味で、この場合、あなたがDJとしてかける時の曲の方針だと思ってもらってかまいません。
このモットーを持っているか持っていないかが、選曲のコツを左右することになります。
たとえば、イベントになんのテーマもなくDJをしてほしいと言われたら、あなたならどうしますか?
パッとセットリストを思いつきます?それともひたすら考えます?
ちょっと脱線しますけど、実はエレクトロニックミュージックから入った人ってこの場合すごく楽なのです。
なぜなら、DJ=エレクトロニックミュージックという図式が出来上がっているので、持っている曲をかければいいだけだと考えられるからです。
しかもベテランDJは本来の姿である、フロアを見て即興で選曲するというプレイもできます。
しかし、エレクトロニックミュージックから入らなかったビギナーの人にとっては、おそらく頭を悩ませることになるのではないでしょうか?
また、逆にあなたが得意なジャンルを禁止されたテーマだったとしましょう。そうするとどうでしょう?こちらも相当悩むことになりそうです。
でも、安心してください!たとえ悩むことになっても、おそらくあなたには何かしら「こうしたい!」みたいな方針を持っているはずなのです。
それはあなたが持っている曲を考えると分かりやすいです。(ここではアーティストや歌い手はいったん置いておきます)
あなたが曲を聞くときは、ただ好きという理由だけでなく、根底にある何かがあなたに響いて聞いているはずです。
それはリズム・メロディ・歌い方・楽器など、色々ありますが何かが左右しているはずで、その根底にあるのがあなたのモットーになってくれるのです。
だから、あなたが持つそのモットーを選曲で生かせばいいだけなのです。
たとえば私はハウスやテクノの4つ打ちのリズムが好きなので、4つ打ちを一つのモットーとしています。仮にテーマを言われたらできるだけ4つ打ちで選曲しようと試みます。
こんな感じで自身の曲に対するモットーをDJの時にも生かせば、一定のテーマ性を持った選曲ができることになるのです。
このモットーがないと、いろんなジャンルをこれでもかと加えてしまうことになり、聞いている側にとっては付いていけない状況を作り出してしまうことになりかねません。
どんな曲でもいいですが、まずはあなたのモットーを生かすことを考えると選曲がしやすくなるのです。
実際にセトリを作ってみたけど、気に入ってくれるか心配…
さて、次に考えることになるのは以下の内容になってきますよね?
- 好まれる選曲が分からない
- あんまり曲を持ってないからかぶるのが心配
好まれる選曲が分からない
これは正直誰にも分かりません。全てをヒット曲にしたとしてても、それが好まれるかは分からないためです。
それに、仮にすべてをヒット曲として使うのもあまりおすすめできません。この場合何もしなくてもフロアが盛り上がることが確実なため、それを経験してしまうとヒット曲ばかり流す傾向になり、曲の発掘をしなくなります。
そうなるとあなたの個性がなくなることに繋がります。
逆にあなただけが知っているような曲であってもそれは特に問題ありません。良い曲であればみんな楽しんでくれますし、気に入ってもらえれば「なんの曲だったの?」と聞いてもらえることもあります。
だから、好む好まざるにかかわらず、堂々とモットーを生かして選んだ曲をかけてみましょう。
あんまり曲を持ってないからかぶるのが心配
この場合は曲を集めるしかないですね。DJは曲を集めてナンボのところがあるので。
まずはCDなりiTunesストアなりで集めていきましょう。
必要とする曲数は、あなたがプレイする時間の2倍から3倍くらい集めておくと、仮にかぶったとしても変わりとして使えます。
それに、一度集めればあとはそれがコレクションにもなり次回にも使えるので、気に入った曲はバンバン集めていきましょう。
ただ注意点として、当たり前ですが買ってきたばかりの曲は最低限何度か聞いて展開を知っておかないといけません。
知らないでかけると、予想外の展開に冷や汗をかくことになりやすいのでw(特に曲の終わりがフェードアウトになっているものなどです)
センスある選曲をしたい!!
あなたがこう思うのは、おそらく他のDJのセトリを聞いてそう思ったのではないでしょうか?
ただ、これは聞く人によって感じ方が千差万別なので、一概にこうした方がいいと言えるものではありません。
もしそのDJに対し選曲センスがいいなと思うのであれば、そのDJが培ってきた(聞いてきた)経験が左右しているのは間違いないからです。ですから、そのDJと同じようなセンスが付くのは難しいでしょう。(繋ぎのテクニックなどは別で考えます)
しかし、あなたにはあなたが培ってきた(聞いてきた)センスもまたあるはずです。
あなたは選曲をする際に、ただ曲を並べるという安易なことは当然ながらしていないですよね?きっと、仕事や学校で忙しい中、時間をかけて何かしらあなたの思いを込めて並べているはずです。
ただ、それが何か空回りしてしまうのであれば、もしかしたらその並べ方に違和感を感じさせてしまっているのかもしれません。
違和感を感じさせる一例をだすと、テクノ、ロック、ポップスというジャンルで流れを作ったとしたら、当然バラバラな印象を持たれることは間違いありません。
残念ながらこの場合、よほど面白いプレイでもしない限り誰が聞いても不快になりそうです。
ではどうするか。もしこういった選曲をするのであれば、ジャンルが違っていても、できるだけ曲調が似た並びにすると違和感がなくなります。
そして似た並びにするのには1曲ずつでは成り立たないので、複数の曲を使って構成する必要があります。
- テクノ
- テクノとロックが入り混じったような曲
- ロック
- ロックとポップスが入り混じったような曲
- ポップス
このような感じです。
これであれば突然ガラっと曲調が変わることがないので、聞いている側も安心できます。そして、まさにあなたが思うセンスが備わっている選曲の一つと言えると思います。
もちろん、これは代表例なのでこれに固執する必要はありませんし、あなたがセットを聞いてみて不快にならなければ問題ありません。
あなたの培ってきた(聞いてきた)経験を生かして構成と展開をしてみましょう。(注意点としてこの場合はモットーを考えていないので、それは別で考える必要があります)
思い切って相談するのもアリ!
どうしても選曲で迷うときは、先輩になるようなDJに聞いてみるのもアリです。DJならその悩みは当然知っているので、相談に乗ってくれるはずです。
あなたのモットーや自分なりのテーマを伝えつつ、セットリストを見せることで、まったく違う視点でのアドバイスをもらえることもあります。曲のリズムや展開など、今まで考えていなかったことを教えられたりするので、とても勉強になること間違いありません。
ただこの場合、先輩DJから「一回聞かせてみて」と言われるのは間違いないので、プレイしたあとに相談することになるはずです。そうなると、セットリストだけでなくプレイについてもアドバイスをもらえると思うので、一石二鳥にもなります。
まとめ
さて、選曲をする上で何か突破口は見つけられたでしょうか?
誰でも最初は悩みますが、あなたが好きになる曲の法則を見つけてしまえば、それが自然とモットーになってくれます。
そのモットーを生かすことであなたの個性が生まれ、よりフロアを楽しませるスパイスになっていくのです。