はじめに
PCDJ含め、お家DJに必要なものとして大事なスピーカーがあります。
もしかしたら、スマホ世代の方はあまりスピーカーというものが近くになく、馴染みが薄いかもしれませんね。
今やヘッドホンやイヤホンで聴く方のが多いでしょうし、それで事足りると考えてしまうと必要としないですからね。
ところが、DJをやるのであればそうはいきません。
詳しい理由は後述しますが、簡単に言えば、DJとは外に音を出してこそだからです!
そしてその音を出すスピーカーは、オーディオ各社からは様々な種類のものが販売されています。
その中でも、今回はあえてお家DJとして導入しやすいBluetoothスピーカーに絞ってみました。
今やBluetoothスピーカーもかなり高性能になってきているので、お家DJにも十分活用できます。
もちろん、この時点で「何でBluetooth?」と思った方もいるとは思いますが、それはあとで解説しますね。
それでは、DJにスピーカーが必要な理由から見ていきましょう。
DJとしてスピーカーが必要な理由
改めて語る必要はないとは思いますが、DJがスピーカーを必要とする理由は何でしょうか?
それは、DJが選んだ曲を『その空間に向けて音を発するために必要だから』です。
音を発していなければ、DJはもはや何のためにいるのか意味不明であり、その存在意義もなくなってしまいます。
したがって、根本的にDJは音をその場に出さなければいけません。(サイレントディスコは別です)
そして理由はもう一つあります。
それは、ある意味逆説的ではありますが、DJが次にかけようとしている曲を、スピーカーではなくヘッドホンで確認する必要があるからです。
仮に、次の曲を確認するために、スピーカーから今かけている曲に加えて同時に確認したい曲を流してしまうと、途端に二つの曲がかかり、聴いている側は不快感に襲われることになります。
また、ヘッドホンで確認すること自体は、DJが可能ならば身につけるべきテクニックである、ビートマッチングをする上でも必要になります。
ビートマッチングとは、今鳴っている曲と次の曲をタイミングを合わせてミキシングし、次第に次の曲へと違和感なく繋ぐことです。
DJにとっても最高に気持ちいい『つなぎ』のテクニックとは?このビートマッチングには、スピーカーから鳴っている曲とヘッドホンで鳴らしている曲のタイミングを合わせることが不可欠であり、スピーカーの音を頼らなければ基本的にはできません。(CUEを使ってヘッドホンだけでも可能ではありますが…)
このような理由もあって、DJにはスピーカーが必要不可欠であり、技術を磨く上での練習には欠かせない存在でもあります。
機材側から見たスピーカーが必要な理由
DJの機材的な観点から改めて見てみると、DJ機材も大元の目的は音を出すことです。
いくら、つまみやボタンがたくさん付いていていろんなことが可能な機材であったとしても、その音を自分が聞いたり人々に聞かせられなければDJ機材としての意味はありません。
つまり、当たり前ですがDJ機材自体も音を出すことが至上命題になります。
しかし実際のところ、DJ機材にはその音を出すスピーカーというものは付けられていません。(例外もあります)
その理由は、クラブやライブ会場などに設置された多様なスピーカーやミキシングコンソールにも対応できるためなのと、実際に機材にスピーカーを付ける場合のコスト面や、『じゃぁどこに付けるの?』『付けたら大きくなるよ』という物理的な問題も生じてしまうからです。
唯一、機材単体で聞ける部分とすれば、音の確認として利用できるモニター用のCUEがありますが、ただし、これもヘッドホンという音を出す機材を用意する必要が生じるし、ヘッドホンだけでは外部へ音を出すことはできないため意味がありません。
このように、DJ機材側から見ても、必ずその音を出すためにはスピーカーが必要になるわけです。
確認すべき外部出力端子
DJ機材が外部へと音を出すための端子を確認しておく必要があります。
DJ機材の背面を見ると、基本的に『赤』『白』で配色された、RCA端子(ピンプラグ)という端子、フォーン端子、XLR端子(キャノン端子:カメラメーカーのキヤノンとは関係ないよ)があります。
この中でXLR端子が付けられたものは、DJ機材の中でもミキサー単体機として付けられたものが多く、XLR端子を利用するケースは、家庭環境ではほぼ限定的になるのでここでは割愛します。
では、残ったRCA端子とフォーン端子のみを考慮することになりますが、ミキサー側のフォーン端子自体はあまり利用することがない一方(お家DJの場合)、スピーカー側はフォーン端子を利用する機会が実は多いです。
その理由は、フォーン端子はサイズが大きいものから小さいものまで複数あり、小さいサイズの方が普及が進んでいるからです。
フォーン端子として代表的なサイズは6.3mmの大型なタイプですが、次に3.5mm、2.5mmと続き、現在のオーディオ機器には3.5mmのフォーン端子(ステレオミニ)が搭載されているものが多くなっています。
また、RCA端子は過去から普及されており、およそ音を出す多くの機器が採用していることもあって、使用する際に特に困ったり悩むことはない端子です。
つまり、強引に言ってしまえばDJ機材に対応したスピーカーを探そうとすると、RCA端子かフォーン端子の3.5mmのものを探せば手っ取り早いことになります。
家で鳴らせる音量はどのくらい?
さて、早くスピーカーを選んでいきたいところですが、スピーカーを購入する際に考えるべきことが二つあります。
まず一つ目は、あなたの家の環境です。
環境といっても素晴らしい音を響かせることができる、劇場的な環境というわけではありません。
どれだけ音を出せるのか?どれだけ音を出しても良いのか?という生活面での環境です。
DJ機材は、音を出すことが至上命題であることは前述したように、音を出せなければ意味がありません。
しかし、それはあなたの家の環境が大きく関わってきます。
家でそもそも音を出せないのであれば、正直スピーカーを購入することは無駄な出費でしかありません。
そもそも日本の家は狭く、特に都市部であれば家と家の隙間が少なかったり、アパートやマンションの集合住宅であれば隣の部屋との壁の厚さが気になってきます。
つまり、島国でありながら1億人もの人々がひしめき合う日本の狭い住宅事情では、隣近所への配慮がどうしても必要になってしまうわけです。
仮に家の周りが田畑や山の中でない限り、あなたも大音量で音楽を流そうとは思わないですよね?
とまぁ、そういった住宅事情を考慮すると、音を出すにも大きな音を出すことは難しいのが実情です。
家に置けるスピーカーはどのくらいの大きさ?
次に二つ目。
あなたの住宅事情を考慮する上でもう一つ大事なことは、それはスピーカーの大きさになります。
スピーカーは、基本的に音を出す振動板の大きさに比例して作られます。
また、音の大きさもスピーカーの大きさに直結しており、スピーカーが大きければ大きいほど、その出せる音量も大きく出るように作られます。
ところが、前述した住宅事情にまた関わるように、スピーカーの大きさというものも問題になってきます。
スピーカーが大きければ大きいほど、当然部屋のスペースを占領してしまうからです。
それを良しと出来る部屋の広さをあなたがお持ちであれば全く構いませんが、なかなかそうはいかないのも事実でしょう。
そういった意味では、大きいスピーカーだけでなくコンパクトなスピーカーというものも十分に視野に入ってくることになります。
ただ、ここで押さえておかなければならないのは、音質面で言えば小さいスピーカーと箱のスピーカーでは、比べるのもおこがましいほど大違いになってくることです。
それもあってか、小さいスピーカーでいくら普段練習をしていたとしても現場に来たらできていたことができなくなったり、音が大き過ぎるがゆえに反響して家と違って聞こえたりと上手く対応できない場合もあったりします。
しかし、それはどこに行っても同じであり、箱やフロアと同じ環境は決して作れはしないので、それについて考える必要はないでしょう。
それについては、どちらかと言えば経験が補ってくれるものになってきます。
おすすめBluetoothスピーカーをまとめてみた!
おさらいとしてBluetoothとは通信規格であり、様々な機器との連携を近距離ではあるが無線で行えるものです。
基本的には、BluetoothはPCを始めとしたスマホなどのデジタル機器を無線で使えるようにする規格であり、キーボード、マウス、ゲーミングパッドなど今や多くの製品がBluetoothを利用して無線通信を可能としています。
あなたもスマホで色々利用しているかもしれませんね。
しかし、ここでは誰もが疑問に思うであろう、DJにBluetooth通信?という部分です。
ご存知のようにBluetoothは万能なので音声も扱えます、が、今のところ多くのDJ機材にBluetoothは付けられていません。(将来的には分からないです)
それだったら使えないじゃないか?と考えがちですが、それでは時期尚早です。
Bluetoothスピーカーと言っても、音を出す方法はBluetoothだけではないからです。
機種にもよりますが、大抵はきちんと外部入力用である、3.5mmのフォーン端子(ステレオミニ)が備わっているものが多いのです。
つまりお気付きのように、この外部入力端子(AUX)を利用すれば、DJ機材にも繋げるというわけです。
さて、ここからBluetoothスピーカーを挙げていきますが、その選別は重要な外部入力端子(AUX)を備えており、コンパクトでありながらもそれなりのスペックを保持し、多少でも音質に気遣っていることが分かるものとしています。
したがって極端に安い製品やスペックに難があるものは除外しています。
また、下に行くほど価格が高くなります。(*商品によっては価格の変動や生産中止になっている場合があります)
Anker SoundCore 2
SPEC
- 出力:2 x 6W
- 周波数帯域:70Hz – 20kHz
- 再生時間:24時間
- 重量:414g
- 価格帯:4,000円代
TRONSMART Force
SPEC
- 出力:2 x 20W
- 周波数帯域:80Hz – 18kHz
- 再生時間:15時間
- 重量:780g
- 価格帯:5,000円代
TRONSMART Element T6 Plus
SPEC
- 出力:2 x 20W
- 周波数帯域:20Hz – 16kHz
- 再生時間:15時間
- 重量:670g
- 価格帯:5,000円代
Tribit MaxSound Plus
SPEC
- 出力:2 x 6W
- 周波数帯域:85Hz – 20kHz
- 再生時間:24時間
- 重量:380g
- 価格帯:5,000円代
Anker Soundcore Motion B
SPEC
- 出力:2 x 6W
- 周波数帯域:70Hz – 20kHz
- 再生時間:12時間
- 重量:400g
- 価格帯:5,000円代
Anker SoundCore Boost
SPEC
- 出力:2 x 10W
- 周波数帯域:70Hz – 20kHz
- 再生時間:12時間
- 重量:585g
- 価格帯:6,000円代
POWERADD MusicFly II
SPEC
- 出力:2 x 13W , 2x 5W
- 周波数帯域:20Hz – 120Khz
- 再生時間:24時間
- 重量:1.045g
- 価格帯:6,000円代
DOSS SoundBox XL
SPEC
- 出力:2 x 10 W , 12 W SubW
- 周波数帯域:40Hz – 20kHz
- 再生時間:10時間
- 重量:1.569g
- 価格帯:7,000円代
Anker SoundCore Pro+
SPEC
- 出力:2 x 12.5W
- 周波数帯域:65Hz – 20kHz
- 再生時間:18時間
- 重量:760g
- 価格帯:9,000円代
JBL CHARGE3
SPEC
- 出力:2 x 10W
- 周波数帯域:65Hz – 20kHz
- 再生時間:20時間
- 重量:800g
- 価格帯:10,000円代
Soundcore Motion+
SPEC
- 出力:2 x 15W
- 周波数帯域:50Hz – 40kHz
- 再生時間:12時間
- 重量:1.300g
- 価格帯:10,000円代
SONY SRS-XB32
SPEC
- 出力:2 x 15W
- 周波数帯域:20Hz – 20kHz
- 再生時間:24時間
- 重量:900g
- 価格帯:15,000円代
分かりやすく、一覧にしてみました!
モデル | BTバージョン | 出力 | 周波数帯域 | 再生時間 | 重量 | 価格帯 | 一言コメント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Anker SoundCore 2 | 5.0 | 2 x 6W | 70Hz – 20kHz | 24時間 | 414g | 4,000円代 | とにかく安く!長時間再生を求めるなら! |
TRONSMART Force | 5.0 | 2 x 20W | 80Hz – 18kHz | 15時間 | 780g | 5,000円代 | 帯域が狭いが、安くて出力は大きい! |
TRONSMART Element T6 Plus | 5.0 | 2 x 20W | 20Hz – 16kHz | 15時間 | 670g | 5,000円代 | 高音域が弱いか、安くて出力は大きい! |
Tribit MaxSound Plus | 4.2 | 2 x 6W | 85Hz – 20kHz | 24時間 | 380g | 5,000円代 | 1gでも軽く!長時間再生を求めるなら! |
Anker Soundcore Motion B | 4.2 | 2 x 6W | 70Hz – 20kHz | 12時間 | 400g | 5,000円代 | スペックは普通だが、その分安くて軽量! |
Anker SoundCore Boost | 4.2 | 2 x 10W | 70Hz – 20kHz | 12時間 | 585g | 6,000円代 | 標準的スペックでまとまっている! |
POWERADD MusicFly II | 4.2 | 2 x 13W , 2x 5W | 20Hz – 120Khz | 24時間 | 1.045g | 6,000円代 | デザインが気に入れば信じられないほどの高スペック! |
JBL FLIP4 | 4.2 | 2 x 8w | 70Hz – 20kHz | 12時間 | 515g | 7,000円代 | 標準的スペックでまとまっている! |
DOSS SoundBox XL | 4.0 | 2 x 10 W , 12 W SubW | 40Hz – 20kHz | 10時間 | 1.569g | 7,000円代 | サブウーファー付きで出力最強!でも重さも最強! |
Anker SoundCore Pro+ | 4.2 | 2 x 12.5W | 65Hz – 20kHz | 18時間 | 760g | 9,000円代 | 1万円以内で万能機を求めるならコレだ! |
SONY SRS-XB22 | 4.2 | 2 x 7W | 20Hz – 20kHz | 12時間 | 540g | 10,000円代 | 出力は弱いが、帯域は広し! |
JBL CHARGE3 | 4.1 | 2 x 10W | 65Hz – 20kHz | 20時間 | 800g | 8,000円代 | Bluetoothスピーカーのスタンダード! |
Soundcore Motion+ | 5.0 | 2 x 15W | 50Hz – 40kHz | 12時間 | 1.300g | 10,000円代 | 重量はヘビー級だが、高音域がハイレゾスペック! |
SONY SRS-XB32 | 4.2 | 2 x 15W | 20Hz – 20kHz | 24時間 | 900g | 15,000円代 | 価格は断トツの高さだが、全方位に四角なし! |
実際につなげる方法はどんな感じ?
前述のように、DJ機材側はRCA端子かフォーン端子を使うことになるはずです。
ここではもっとも使いやすいであろうRCA端子に絞ります。
実際に機材とBluetoothスピーカーと繋ぐには、Bluetoothは使わず外部入力端子(ステレオミニ:AUX端子)を使うことになります。
Bluetoothを使わないと何だか宝の持ち腐れのような気もしますが、Bluetoothはスマホで聞いてくださいw
あとは、機材側のRCA端子と、スピーカー側の3.5mmフォーン端子(ステレオ:AUX端子)に繋げられればOKです!
とっても簡単です!
最初からRCAとステレオミニのケーブルをお持ちなら迷うことはないでしょう。
もし無ければ、以下のものが利用できます。(スピーカーに付いてくるケーブルは、RCAではなくストレートのものが多いので使えません)
また、RCAケーブルを流用するのであれば、変換器を利用するのも手です。
ちょっと根は上がりますが、音をワンランクもツーランクも上げる、DJ界では有名なオヤイデデンキのケーブルもオススメしておきます!
Bluetoothスピーカーでコストを抑え、他に投資するのもアリ!
このように、Bluetoothスピーカーは利用面での手軽さ、音量問題の回避、スペース問題の解消など、様々な面でスマートな生き方を必要とされる現代において、導入のしやすさが抜群です。
しかも、コスト面でも比較的他のスピーカーより財布には優しいです。
何を始めるにしてもそうですが、DJも基本的に費用がかかってしまいます。
それはCDJだろうが、PCDJだろうが同じで、それなりにのめり込んで行けば各種機材を揃えるしかなく、あれもこれもと購入していけば、結局トータルうん10万円というコストになることも少なくありません。
そのようなコスト増を抑えていくには、個人で必要なものを取捨選択をするしかなく、どこにお金をかけるかが大事になってきます。
そういった意味では、前述したように現場と同じ環境は絶対に作れないことを念頭におくことで、あえてスピーカーという部分からコストを抑えることも手なわけです。
そして、実際に触ることになるミキサーやコントローラー、または曲に投資することを優先することで、やる気に精を出して練習する方が経験値が上がりやすいでしょう。
また、メリット面を強調しておくと、Bluetoothスピーカーはコンパクトなのでスマホやタブレット用のDJアプリを使えば、どこでもDJが可能になるという点が秀逸です。
ちょっとしたパーティーやBBQ(場所にもよります)など、屋内・屋外問わず持ち出せるので、より仲間と楽しめます。
もちろん、あなたがさらに音質を良くしたいと思ったり、DTMをやりたい、財布も潤ってきた、と状況が好転してきたら、上のランクのスピーカーを導入していけばいいのです。
おそらくその時になっても、購入したBluetoothスピーカーが用済みになることはないと言えます。
1台持っているだけで、かなり利用頻度は高いですからね。
まとめ
さて、Bluetoothスピーカーについて色々とまとめてみました。
結局のところ、家でDJをするにしてもヘッドホンだけで完結はできないわけで、スピーカーが必須になるのは間違いありません。
DJにとって音を出さなければ技術を磨くことも難しいですし、おそらく練習していても楽しめないはずです。
色々な条件の中、数多くのスピーカーから選ぶにはそれなりに悩み、時間もかかります。
さらには部屋の広さや出せる音量、コスト面についても考えなければなりません。
そういった意味では、あなたの家に適当なスピーカーがないのであれば、Bluetoothスピーカーは利用しやすいと言って良いでしょう。
Bluetoothスピーカーが必ずしも最適な選択肢ではないかもしれませんが、それなりのスペックのものであれば十分練習にもリスニング用にも満足できるではずです。
(当記事では画像のデザインにVecteezyの素材を利用しています)