はじめに
映画に関わる用語集をまとめてみました。
映画は見るだけでなく、その仕組みや作り方も知っておくとより深く楽しめます。
それは、作り手がどうやってその映画を作っていったかが何となく想像でき、またスクリーンには現れない作り手の感情も垣間見えてくるからです。
このページでは、その入り口となる基本的な『脚本』・『撮影』・『カメラ』・『編集』・『音楽』などの映画用語集を挙げています。
こちらを読めば、どこかで耳にした映画にまつわる言葉が理解できるようになります。
普段、映画を見ていて疑問に感じていた言葉があったら、ぜひご活用くださいませ。
(注:ハリウッド映画用語を元にしています)
CAST & CREW
俳優
- 映画の中で芝居をする登場人物のこと
- その映画、そのドラマがより魅力的な物語になるかどうかは、俳優の演技にかかっている。
声優
- 映画には登場せず、声のみで芝居する役者のこと
- アニメーションのキャラクターや人間ではないキャラクターの声を担当し、そのキャラクターが存在しているかのように命を吹き込む。
監督
- 脚本を元に、映像作品を作り上げる人物
- 企画・準備・撮影・編集・宣伝までの全行程に携わり、作品全体にまつわる全てを取り仕切る。
プロデューサー
- その映画全体を予算的観点からまとめあげる人物
- 監督と同じように全行程に携わりながら、予算を鑑みながら監督の要望を実現できるように現場全体を取り仕切る。
脚本家
- 映画作品の元になる脚本を書く人物
- 脚本は監督自ら書くこともあり、その場合、より監督の意向が重視された作品になりやすい。
- 作品をより良いものにするために、書き上げられた脚本を別の脚本家が書き直すこともままある。
キャスティング(配役)ディレクター
- 監督、プロデューサーと相談しながら、その映画作品に適した配役をおこなう人物
- その映画を商業的にも芸術的にも成功させるためには、作品に見合った魅力的な俳優を探し出せるかにかかってくる。
撮影監督
- 監督と共に撮影方法やアングル・構図・照明などをシーン毎に構築する人物
- 各カメラマンやガファーなどに指示を与え、魅力的なショットを作り上げる。
カメラマン(カメラ技師)
- 撮影監督の指示のもと、実際にカメラを動かし被写体を撮影する人物
- アクションを多用する作品の場合、様々な方向からカメラを向けることになるので複数のカメラマンを必要とする。
ガファー(照明技師)
- 撮影監督の指示のもと、映画全体の光と影をコントロールする人物
- 光に熟達したガファーがいるかいないかで、作品のトーンが大きく変わる。
音楽監督
- 物語に合わせた音楽を作曲し、まとめあげる人物
- 自ら作曲した曲をもとにオーケストラを指揮したり、もしくは選曲し、映画の雰囲気をより芸術化させる。
SCRIPT
脚本
- 映画作品を作る上での物語を記した本
- 感情を描く小説とは違い、状況設定とナレーションでのみ構成され、1ページ1分という時間配分で書かれている。
- 脚本こそが映画の魂であるため、いかに他より抜きん出た脚本を書けるかが鍵。
脚色
- すでに作られた小説作品や史実を、映画作品用に適した形へ脚本化すること
- 脚色は、原作(史実)を忠実に再現される場合と反対に大きく変えられる場合がある。
- 大きく変える場合、得てして評価は分かれる傾向になりやすい。
プロット
- その映画の筋立てやあらすじのこと
- 簡単にどういう物語かを表す要約としても使われる。
- プロットだけでも面白いと思わせられれば、その映画は高評価を受けられる可能性が高い。
対立
- 登場人物に敵対する何か
- 敵対するのは人物ばかりというわけではなく権力や法律、物理的な壁、機械、自然現象、時間、モンスターなどさまざまなものが対象となる。
サスペンス
- 登場人物たちに起こる危機的状況
- 観客にわざと緊張感やもどかしさを感じさせるように、観客が想像することと反対に作られる物語手法。
- サスペンスに比重を置いたジャンル自体をサスペンス映画とも呼ぶ
ドラマ
- 物語の中で、登場人物の存在感や人生観を感じさせる状態
- 登場人物が対立やサスペンスに遭遇し、どう克服していくかを表現できているかが、ドラマチックかそうでないかの分かれ目になる。
ミステリー
- 登場人物たちにまつわる過去から現在・未来までに影響を及ぼしている謎のこと
- ミステリー(謎)があればあるほど、観客は引き込まれ驚きを持つことになるが、ベール自体はできるだけ隠し続けるように構築される。
- またミステリーの一角は、その存在が観客が気付くようなものにしておかなければならない。
メタファー(隠喩、暗喩)
- 核となる被写体のイメージを強化するために、同じような意味合いを持つ別の『何か』を映像内に置くこと
- メタファーは、登場人物の心情をより強めるような場合に用いられる。
- 例えば、登場人物が痛烈な批判を受けるような出来事が起こった場合、画面の端の方にある垂れ下がった花の花びらが落ちるなど。
直線構造
- 物語を構造化した時に、オープニングからエンディングまで一直線に進む物語のこと
- 直線構造は『第一幕:始まり』、『第二幕:中盤』、『第三幕:終わり』という3つのパートで作られ、物語もそのままで進むため分かりやすい。
- 多くの映画が直線構造で作られる。
エピソード構造
- 物語を構造化した時に、時系列ごとやバラバラに構築すること
- エピソード構造は、シーケンス毎に時系列を『春夏秋冬』のように辿るような場合と、あえて時系列を無視しながら進んでいくような構成のことを指す。
- 時系列を変える場合、初めてその映画を見た観客は混乱しやすくなる。しかし、表現方法として上手くはまれば観客を驚かす演出作品に仕上がる。
- クエンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』が代表的。
PRODUCTION
Pre-Production(撮影準備)
- 実際に映画撮影に入る前におこなう準備のこと
- プレビズという映画の方向性を決めるコンセプトアートの作成、スケジュール作成、予算の決定、美術やセットの作成、機材などの手配や製作、ロケーション(撮影現場)の選定、俳優・スタッフの寝食にまつわることなど多岐に渡り、撮影前にも各部署が膨大な仕事量をこなすことになる。
Production(撮影)
- シーンに合わせたセットを構築し、俳優に演技をさせ、カメラで撮影をおこなうこと
- 映像を作る工程でもっとも基本的であり、もっとも重要な要素。
演技指導
- 俳優がシーン内でどう動くかや配置場所を前もって相談すること
- 監督が事細かに指示する場合もあれば、俳優に委ねる場合もある。
順撮り
- 脚本の頭から順に撮影していくこと
- 脚本の通りの時系列なので状況を分かりながら撮影できるが、予算やロケーションの関係で順番通りには実現できない場合も多い。
テイク
- 撮影時に、ショットを何度も撮影することを前提にした数え方がテイク
- 俳優のセリフ間違いや失敗、演出ミス、他にも技術トラブルなどに見舞われた場合、そのショットはNGとなり同じ撮影を繰り返すことになる。これをOKが出るまで数えるのがテイクになる。
- NGテイクとOKテイクが明確にされていないと編集がスムーズにできないため、きちんと記録をしておくことが重要。
シーン
- 一つの場面のこと
- 撮影はショット毎だが、ショット同士をつなぎ合わせるとシーンとなる(人物たちが対話している状況やアクションが継続している状態など)。
シークエンス
- シーンよりもさらに大きいショットのまとまりのこと
- 一つの流れを組むためにシーンとシーンが連続的に組み合わされている状態。
アクション
- 登場人物が起こす、あるいは登場人物たちにふるいかかった出来事のこと
- 格闘や爆発などの見た目の意味ではなく、アクション(行動)があるからこそ物語が進むことになる。
- 例:何かが人物を驚かす
- アクションの比重を多くした映画のジャンル自体をアクション映画とも呼ぶ
リアクション
- アクションを受けた登場人物や出来事が、次に起こすアクションのこと
- アクションを受けたあと、物語をさらに進ませるためには何らかのリアクションが必要になる。
- 例:人物が驚いて転ぶ
チェイス
- 登場人物たちの追いかけっこのこと
- 映画の中で人物と人物が追いかけることはドラマチックな表現として映えるので、多くの映画で用いられている。
ロケーション
- 撮影現場のこと
- その映画をスタジオ内で表現するのには適さない映画の場合、別の候補場所を見つけて撮影することになる。
- 現在のブロックバスター級映画は世界中を又にかけることも多く、俳優から参加スタッフ全員をその都度移動させるという大規模なものになる。
照明
- 登場人物や被写体のイメージをより高めるためにあてられる光
- 人がものを見る場合、目の水晶体によって光を調節できるが、映像ではカメラを通した光になるため光の増減や調整が必須になる。
- 光によって様々なイメージを構築できることから、照明が持つ意味はとても大きい。
美術(ビジュアルデザイン)
- セット内のすべての美術要素を構築する
- その映画にあった美術を施すことで、より映画のイメージを高めることができる。
- 美しいものから汚いもの、安心感を感じるものから不安感を感じるもの、派手なものから質素なもの、中世時代のものから未来を想定したものまで、画面内のイメージを観客に伝える重要な要素の一つ。
衣装・ヘアメイク
- 俳優を映画内でより際立たせるための衣装とヘアメイク
- 美術と同じで、俳優に対して映画に合うイメージを施す。
- 俳優を綺麗にカッコよく見せるのも、ひどい醜態にさせるのも衣装とヘアメイクにかかっている。
CAMERA TERMS
フレーミング(構図)
- 撮影時に被写体をフレーム内におさめる方法のこと
- 表現手法により様々な構図が用いられるが、定番は三分割法で、フレームの縦と横を三分割しその交わった点に注目させたい被写体を置くことが多い。
ハイアングル(俯瞰)ショット
- カメラを被写体の上側から撮影する手法
- ハイアングルにすると安定感が損なわれる印象になる。
- 人物が対話している場合に人物の地位の低さを表す場合や緊張感を与える場合に用いられる。(極端なアングル角度の場合は別の意味が備わっている)
ローアングル(あおり)ショット
- カメラを被写体の下側から撮影する手法
- ローアングルにすると安定感を強められる印象になる。
- 人物が対話している場合に人物の地位の高さや権力を表す場合に用いられる。(極端なアングル角度の場合は別の意味が備わっている)
オフスクリーン
- 映っているフレームの外側のこと
- 映像におけるフレームは、今見ているフレームだけでなくその外側にも連続している。この考えを生かすと、登場人物や被写体をフレーム外から内に、またその反対など様々な工夫ができる。
- さらに音の配置により、フレームには映っていない別の世界を作ることも可能になる。
- 例えば、フレーム内がただの原っぱでも、上空を飛んでいる飛行機の音を付け足せばそのイメージを作れる。
ショット
- 撮影するシーンを細かく分けた最小単位のこと(カットともいう)
- カットとの違いは、撮影された映像を素材としてみる場合に用いられることがある。(「あのショットを使おう」など)
カット
- 撮影するシーンを細かく分けた最小単位のこと(ショットともいう)
- 他には、撮影を止める場合に監督がかける言葉であったり、編集時に撮影素材を切る(カットする)ことも指す。
ロングテイク(長回し)
- 一度の撮影を短くせずに長く撮影をすること
- 分単位で撮影することになるため、俳優の大変さはもちろんのこと、現場の技術スタッフ、製作スタッフはいつにも増して全神経を集中させる必要がある。
スタティックショット(フィックス)
- カメラを動かさずに固定したままで撮影すること
- カメラに動きを必要としない場合は、基本的にスタティックショットのみで撮影される。
- もっとも基本的な撮影方法であるのと同時に、もっともフレーミングが大事な要素になる。
ドリーショット
- カメラを固定せずに、移動(ドリー)車やステディカムを用いて撮影すること
- カメラが移動することでより没入感や臨場感を高められるので、ちょっとしたショットでも利用される。
- 被写体を捉えたまま写すトラッキングショットは、ドリーショットとも重なる。
ステディカム
- カメラを自由に移動させて撮影する機材
- カメラは動かすと基本的にブレを生じさせてしまい、安定感を欠いた映像になってしまう。
- これを解決するためにカメラを一切ブレさせないで撮影できる機材として、ステディカムというカメラマンに取り付ける機材が開発された。これによりカメラマンが移動しても滑らかな撮影が可能になる。
- スタンリー・キューブリックの『シャイニング』が代表的。
ドローン
- 超小型のヘリコプターにカメラを搭載し空撮を可能にする
- 現在はドローンを用いて空撮が簡単にできるようになったことで、壮大な風景やVFXを多用するシーンなどでは実際にカメラマンの手を介さず、ドローンでの撮影も増えてきている。
パン
- カメラを『左右』に向けること
- 基本は三脚にカメラを載せた状態で、カメラを左から右など水平方向に回して被写体を写す方法。
- 被写体をゆっくり追いかけるような場面で用いられ、報道番組のような状況説明的なパンは映画ではあまり使われない。
ティルトアップ・ダウン
- カメラを『上下』に向けること
- 基本は三脚にカメラを載せた状態で、カメラを下から上など垂直方向に向けて被写体を写す方法。
- 大きさを表したい場合や意外性を表現したい場合に用いられる。
カメラ
- 撮影した映像を記録する機械のこと
- 映画にかけている人々の並々ならぬ情熱と何億円もの予算がこの機械、およびその媒体に凝縮される。
- 映画撮影の全てはこのカメラのためにある。
フィルム
- 映像を記録する媒体のこと
- 21世紀になった昨今は、ほぼデジタルメディアで撮影が行われており、フィルム撮影の映画は監督の好みで選ばれたりと少数派。
レンズ
- カメラに映像を記録するための『目』
- レンズを通してショットを記録する、カメラと合わせて超貴重な存在。
- 広角レンズ・望遠レンズなど複数の種類がある。
広角レンズ
- 幅広い視野を持つレンズのこと
- ショットに広さを表現したり狭い空間で撮影する場合には、広角レンズが必須になる。
望遠レンズ
- 遠くの被写体を撮影するためのレンズのこと
- カメラから少しでも離れると被写体は小さく映ることになるため、距離を縮める望遠レンズが使われる。
ズームレンズ
- ある程度の近くの被写体から遠くの被写体までを映せるレンズのこと
- ズームレンズがあると便利ではあるが、その分画質や明るさが犠牲になりやすい。
単焦点レンズ
- 画角を固定したレンズのこと
- 広角レンズなら広く、望遠レンズなら遠くをと、レンズの視野が固定されている。
- 人間の目は大体50mm(35mm換算)前後と呼ばれており、人物との自然な距離で撮影したい場合は50mmが標準として使われる。ただし、室内全体を撮影するにはかなり狭いものになる。
SFX (Super Effects)
- 撮影現場で使われる特殊効果のこと
- 実際の現場、もしくはシーンを模したミニチュアなどに、爆発や炎上などを追加して撮影する表現方法。
POST PRODUCTION
Post Production(編集)
- 撮影された個々のショットを物語として見せられるように、つなぎ合わせること
- 脚本に書いてあることを具現化するように編集はなされるが、そのつなぎ方や見せ方には大いに工夫が施され、映像を生かすも殺すも編集にかかってくる。
ダイレクト・カット
- ショットとショットの間を直接切り替える手法
- 基本的な編集方法で、もっとも直接的な物語の印象を与える。また短いダイレクト・カットを連続的につなぐことで緊迫感を表現できる。
フェード・イン
- 真っ暗な画から段々と映像が表れてくる手法
- シーンの始まりを表現したい場合にフェード・インが使われる。これから始まるぞという雰囲気を表す。
フェード・アウト
- それまでの映像が段々と真っ暗になっていく手法
- シーンの終わりを表現したい場合にフェード・アウトが使われる。これで終わりだぞという雰囲気を表す。
ディゾルブ
- ショットとショットの映像を段々と変えていく手法
- 映像が透けるようにショットAの何かがショットBで変化していったなど、関連性を表したいときに使われる。
スーパー・インポーズ
- ショットの中に別のショットを重ねて映す手法
- 現在とは別の場所の状況を表したり、登場人物の考えていることを表現したい場合などに用いられる。
- ジャン=ピエール・ジュネの『アメリ』が代表的。
モンタージュ
- 一連のショットの中に、敢えて別のショットを入れ込む手法
- モンタージュは対比を印象付けるために行われる。正しい行為のショットと悪の行為のショットを交互に映すと対比が生まれ、観客の感情を揺れ動かすことができる。
- スタンリー・キューブリックの『ゴッドファーザー』が代表的。
VFX (Visual Effects)
- 撮影した映像に後から特殊効果を加えること
- アクションやSFといったジャンルの多く、また未来や過去の世界を見せる必要がある作品は、クロマキーなどで背景を透過しCGなどで合成するVFXが当たり前となっている。
CGI (Coputer Generated Imagery)
- コンピューター・ジェネレーテッド・イマジェリー
- コンピューターで作られた映像表現のこと
- 登場人物となる架空のキャラクター、小道具、背景、自然現象、特殊効果、デジタルデザインなど、ありとあらゆるイメージをコンピューター上で作り上げる手法。
CG (Computer Graphics)
- コンピューター・グラフィックス
- CGIのことを日本ではCGと呼ぶ。意味はCGIと同じ。
SOUND DESIGN
音楽
- 映画に合わせた音楽
- 過去の映画は元々映像のみで作られていたため、より没入感を感じてもらおうと劇場内で演奏家たちが音楽を演奏したことから始まる。
- 音楽もまた映画と同じく芸術として作られ、作品への魅力をより強化することになる重要な要素の一つ。
ソースミュージック
- 映画内で登場人物たちが聞いている音
- サウンドには劇中内でも使われる音があり、それを登場人物が聞いたり実際に演奏する場合がある。
アンダースコアリング
- 編集時に付けられる音楽のこと
- 劇中で登場人物たちが聞くことはなく、観客にだけ聞かせる音楽。
効果音
- 映像に追加する音のこと
- ロケなど特に外の撮影現場では予期せぬ音が鳴っていたりするため、録音できない場合もある。そうしたシーンには後からそのシーンに合わせた音が追加される。
- 音は自然界のものから機械的なものまで様々な音が使われ、VFXなどの特殊効果を使ったシーンにはそのシーンにあった音が新しく作られる。
- 作られた効果音は『スターウォーズ』が代表的
セリフ
- 俳優が話す言葉
- 脚本に書いてある言葉を俳優が話すことで物語が生まれていく。またアドリブをして会話を付け足すこともある。
ナレーション
- 俳優のセリフではない、観客に語られる話し言葉のこと
- 映画にはナレーションを付けたり付けなかったりと様々ではあるが、それは意図したい表現方法によって判断される。
- ナレーションで代表的なのはマーティン・スコセッシの作品であるが、その中でも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は使い方が秀逸
沈黙
- 俳優に物理的なアクションやリアクションが必要ない時に、何も話さない状態のこと
- 俳優が心の中で何かを感じている状態を表す沈黙は、映画の中でとても重要な表現方法になる。
THE OTHERS
シネマ (Cinema)
- フランス語で『映画』のこと
- 1895年に、初めて人々にスクリーン上映した、フランスのリュミエール兄弟による『シネマトグラフ(Cinematograph)』という映写機から取られている。
スクリーン
- 映画を映写機から映す際に投射される平面のこと
- 映像をスクリーンで映すことは、映写機の基礎である『幻灯機』という17世紀の発明から始まった。
ドキュメンタリー
- 記録映像作品のこと
- 虚構ではなく、事実を元にした記録作品。観客に関心を持たせるために敢えて過度な演出がなされている作品もある。
フィルム・ノワール
- 1940年代から1950年代にかけてハリウッドで流行した映画表現
- 光と影を強調して輪郭を浮き上がらせ、ハイコントラストな画面で構成されている。
- オーソン・ウェルズの『市民ケーン』が代表的。
ヌーベルバーグ
- 1950年代のフランス映画界で、若い監督たちが作っていった作品群
- それまでの傾向を打破しようとした画作りで、脚本などを用意せずに即興で撮影するなどかなり独創的。
- 編集では連続的な繋がりを無視したジャンプカットを多用し、非常に大胆な映像作品になっている。
- ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』が代表的。
IMAX
- 通常のフィルムよりも大きいフィルムで撮影するフォーマットのこと
- フィルム撮影が全盛だった頃、大抵のフィルムは35mm以下のもので撮影されていたが、カナダのアイマックス社が70mmというとても大きなフィルムを開発した。
- フィルム面積が大きい分、とても高価でカメラも大型になるという弊害があるが、より忠実な描写が可能になり強い迫力感を生み出すことができる。
- 近年では、IMAXではないフィルムから、IMAXフィルムに変換することも可能。
IMAXシアター
- アイマックスのフィルムを上映できる映画館のこと
- フィルム面積が大きいアイマックスで撮影すると、劇場のスクリーンで上映するにもそれに応じた広さが必要になり、劇場が大型化する。
- スクリーン自体が大きいため、客席を取り囲むように歪曲に設置され、その分客席も一般の劇場よりも比較的傾斜が高めになり、没入感を高められるように整備されている。