やっぱり「楽しさ」って大事だよね?
自分がDJをやっていると、当然ながら他人のDJプレイがとても気になります。
始めた頃は技術的な面で他人のDJプレイを見ようとしますが、ある程度練習を繰り返し本番でプレイしていくと、技術の部分は少しずつ習得していくことができるので、あとは個人で切磋琢磨する段階に入っていくように思われます。
しかし、その段階に入ることで、それ以外にも大事な一面があることに気付かされます。
これは私独自の見解なので人によってはあまり意識されないかもしれませんが、とても大事なことだと思っています。
それは「フロアとの楽しさの共有」をすることです。
当たり前なのですが、これが意外に意識している人が少ない気がしています。
と言うのも、クラブに行ったりしてDJを見ていても、残念ながら楽しさが伝わってこない人がいるからです。
私自身、「どうしたら楽しさを共有出来るのか?」という思いも含めて、今回は「フロアとの楽しさの共有」についてまとめてみました。
DJとしての見られ方
DJというのは「DJやってるよ」と言ったらもう周りにDJ認定されてしまうものです。
そこにプロもアマチュアも無く、比較されるものとしては経験だけだと思っています。
何故なら日本でプロとして食べていける人はほんの一握りであり、大多数がアマチュア、もしくはルーキーという期間があるだけだからです。
DJをやっていない人に「でも自分はプロでは無いんだけどね〜」とか言っても、相手の顔には「?」が付くだけです。
もちろん、プロ・アマチュアの定義については、一概にDJ個人云々の話ではありません。
なぜなら日本のDJカルチャーやクラブカルチャーの話まで発展してしまうからです。
だからこの話は割愛します。
しかし、DJを知らない人にとっては「プロ? アマチュア?」という程度の認識でしかなく、趣味であろうと無かろうと、その人にとってはどちらでもいいものなわけです。
そういった認識を持つお客さんが思っていることは、そのDJが新人でもベテランでもどちらでもよく「いかに今この瞬間を楽しませてくれるのか?」だと考えます。
つまり、これが「フロアとの楽しさの共有」が必要だと思う理由です。
DJの視線はどこ?
客としてDJを見ていれば自ずと分かるのですが、機材と選曲に夢中でフロアに視線を向けないDJをたまに見かけます。
確かにプレイしている際はとても忙しいので、 フロアを見ている暇があまり無いことはよく分かります。
しかし、本当に客側を見ようとしない場合、私としてはDJと客の間に何か壁があるように感じてしまいます。
こちらが勝手に「緊張しているのかな?」とか「新人さんなのかな?」とかわざわざ余計なことを考えてしまう始末です。
となると何故だか楽しい気分がどんどん無くなっていくのです。(そんなこと考えてないで踊れ〜とか言われたらその通りなのですがw)
たとえその人が新人でもベテランでもこれは変わらず、DJが客を見ていないだけで何故だか強い疎外感を感じてくるのは変な感じです。
周りに人が多くいてもスタンドアローンな感覚に陥ってしまいます。
別に自分を見て欲しいというわけではありません。
しかし、お客さんを気にかけるという仕草が大事だと思っています。
そして、それはフロアに視線を向けるという実に簡単なことだけで済むはずなのです。
ぜひ初心者の人こそフロアを見渡すことを習慣づけていってもらって、独りよがりの空間を作らないようにしてほしいなと思います。(なので、私もフロアを見渡していきます!!)
最高の表情(笑顔)をしていますか?
これも視線と同じですね。
視線をフロアに向けなければDJの表情は客によく伝わりません。
楽しそうなのか、それともそんな余裕はないのか。(ここでは顔が見えないほどの大きな箱を想定していません)
客でいるとDJの表情というのはとても気になります。
DJが楽しそうな雰囲気でプレイしていれば、お酒を飲んでいるだけでもフロアは和やかな雰囲気になっていきます。
見ているだけでも「この人は本当に楽しいんだな」と思えるわけです。
上記の「視線」の章で書いた心配事とは正反対な感じですね。
楽しい表情(主に笑顔)でいてもらえれば、たとえプレイに失敗したとしても「やっちゃったね」みたいな感じで煽ったりすることができますし、何よりDJに対し心配になることがありません。
しかし、表情が見えない中失敗されたりすると、こちらとしては「どうしたんだろう?大丈夫かな?」と思うことしかできなくなってしまいます(失敗しないことが前提ですけどねw)。
表情一つを気にするだけで、客に楽しさの共有と安心感を与えることが出来るのです。
フロアに視線を向ける時は、同時にお客さんにも楽しい表情を見せることを意識してやっていきたいですよね。
何より、笑顔でいればお客さんに変な感情を持たせることや心配事をさせずに済みますし、もし焦っていても客を見れば逆に楽しさをもらって落ち着くこともできると思います。(笑顔で!笑顔で行こう!!)
踊っていれば伝わる楽しさ
視線、表情と来たら最後は踊りです。
そう、ダンスです!
クラブという場所に来て、大音量で音楽を聞くということは踊りを誘うものです。
でも、みんなが踊ってないと恥ずかしいと思うのも日本人なのです。
そんな、踊りたいけど恥ずかしいと思ってしまう人たちを踊らせるきっかけの一つは、DJ自身の踊りなのです。
踊りを誘うのは決して曲だけではないのです。
曲をかけるだけで踊れるなら家でもできます。
むしろそっちの方が他人に見られず恥ずかしくありません。(え?そっちの方が恥ずかしい?)
そうではなくて、DJが楽しく踊っているのを見せられるだけで、客も腰が軽くなるのです。
何も大事な機材を前にしていながら激しく踊れというわけではありません。
直立不動は止めて、音楽に乗って体を動かしましょう。
選曲が終わって繋ぎの準備ができたら少しは時間を作れるはずです。
そこで踊ればいいだけなのです。
客が、ぼーっと突っ立っているDJを見てしまうと、やっぱり楽しい雰囲気を感じることができないのです。(よし!踊るぞ〜!)
まとめ
フロアを見て、笑顔になって、音楽に乗って踊る。
これが出来ればその場の雰囲気が変わるはずです。たとえ客が少なくても見ている人はいます。
その人たちにどう思われるかはDJの動き次第なのです。
次回も来て欲しいと願うなら、楽しい瞬間を共有するという行為は決して無駄にはなりません。
客が踊らなくても、プレイ後に「みんなのこと気にかけてたね!」とか「楽しそうだったね!」と一声かけてもらえれば十分なのです。
きっとその一言に救われ、またプレイしたいと思えるのは間違いないでしょう。
これがまさに「フロアとの楽しさの共有」なのです。
あと付け加えて、最近は淡々とクールなプレイで済ます人も見かけます。
確かにカッコいい雰囲気を感じる時がありますが、やっぱりそれだとフロアとの楽しさの共有はできないと思っています。
以下は、ULTRAなので規模も何もかも違うので参考にし辛いけど、やっぱりこれだけハッチャけるDJは見ていて楽しいです。
それにカッコいいと思えます。
FATBOY SLIMのパフォーマンス
ここまでは出来なくとも、視線と表情そして踊り次第で自分も楽しみ、客を楽しませることができると思います。
「フロアとの楽しさの共有」は、自分も常に念頭に置いてプレイしていきたいと思います!!