はじめに
映画「トランスフォーマー/ビースト覚醒」に登場したスカージ。
このページは、その玩具であるスタジオシリーズ SS-109『スカージ』の紹介ページです。
基本情報
玩具情報
商品名 | SS-109 スカージ |
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メーカー | タカラトミー |
発売 | 2024年8月下旬 |
クラス | リーダークラス |
希望小売価格 | 8,250円(税込) |
メディア情報
登場タイトル | トランスフォーマー ビースト覚醒 TRANSFORMERS RISE OF THE BEASTS |
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映像タイプ | 実写映画 |
日本公開 | 2023年8月 |
キャスト | Peter Dinklage |
キャスト(吹替) | 飛田 展男 |
キャラクタースペック
勢力グループ | テラーコン |
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ロボットタイプ | 人型(男性タイプ) |
性格 | 主であるユニクロンのためなら、どんなことでも従う残虐非道さを持つ |
特徴 | ユニクロンの支配下に入ることで、代わりに強力な力を授かっている |
トランスフォームタイプ | ビークルモード・ボンネット型トラック |
カラーリング | 全体的にブラックとグレーで覆われたカラーリング |
トランスフォーマー ビースト覚醒における簡単な紹介
「ユニクロン」の従者として働き続ける「テラーコン」のリーダー、スカージ。
ユニクロンからは、その代わりに強力な力を授かり、スカージは星々を支配しながら星そのものをユニクロンに捧げてきた。
しかし、当のユニクロンは常に渇望に苛まれ満たされぬまま。
その渇望を制する手段として、トランスワープキーに狙いを定めたユニクロンは、キーが存在する星にスカージを派遣させた。
ところが、その星に棲むトランスフォーマーの一勢力であるマクシマルが、トランスワープキーを別の銀河へと持ち去ってしまう。
ユニクロンとスカージは、マクシマルが向かった惑星系を見つけるために、いくつもの銀河を彷徨いながら虎視眈々と自らの願望が叶う日を待ち続けていた。
SS-109 スカージ 外観
スカージは、ユニクロンと同様、正に「悪」という存在として、多くのトランスフォーマー勢力たちを苦しめ、強大な力を誇示してきたキャラクターです。
そんな悪を代表するスカージも、タカラトミーより、トランスフォーマー玩具であるスタジオシリーズの『SS-109 スカージ』としてラインアップされました。
そして、そのSS-109 スカージは、素晴らしいほどにヴィラン(悪役)を感じさせてくれるフィギュアとして登場してくれました。
ビースト覚醒の他のトランスフォーマー同様、このスカージも痺れるほどカッコよく、パッと見でとんでもないクオリティーなのが分かります。
リーダークラスという大きさもあり、非常に手に持ちやすい形状になっていて、玩具としてすごくしっくりとくる馴染みやすがたまりません。
非常に遊びごたえがあるフィギュアだと言っていいでしょう。
また、全身に鎖のようなものが巻き付いているのが大きなポイントで、これはスカージの凶暴さを抱かせるデザインであるのと同時に、ユニクロンから逃れられないことを宿命づけられているメタファーにもなっていると思います。
ただこのSS-109 スカージは、コンセプトアートから作られたデザインであるため、映画版の最終デザインとは異なっていることに注意が必要です。
SS-109 スカージ 頭部
スカージの顔にはマスクが付けられていて、その形状はまさしくテラーコンのマークそのもの。
これにより、スカージ自らがテラーコンであることを強く印象付けようとしている事が分かります。
エンブレムを体に付けていないトランスフォーマーも珍しくはないですが、顔面につけてくるのはなかなか驚きです!
しかも、このマスクがまたカッコいいデザインで、悪ではあるもののヒロイック感も感じさせてくれます。
また、このマスクから既に緻密な造形になっていて、多数のモールドが施されているのと同時に、角のような形状、目元、鼻、口元のデザインが精巧に作られていて、顔のクオリティーの高さだけで興奮してしまいます。
後頭部は、集光ギミックになっていて光をかざすと目元が光るようにはなっていますが、そこまで分かりやすいものではありません。
首周りのスカートも特徴的で、内部のジョイントを隠すかのように配置されるようになっていますが(正面は隠せていないw)、正直少し長めな感じもします。
ただ、この首周りのスカートも凸凹とした質感にされてあり、ただのプラスチックの板にしていないところは流石です。
SS-109 スカージ 胸部 腹部
胸部、腹部の造形も見事としか言えません。
禍々しさを全面に推し出した形状で、ヴィラン感をより強めています。
この胸部のパーツは、ビークルモードのフロントバンパーになるパーツなのですが、そうは見えないほどホラー感漂う不気味なデザインになっています。
それもそのはずで、左右が吊り目状になっているのと、バンパーとして当たり前の肉抜きがされていることにより立体感が演出され、その立体感により奥に見えるオレンジ色のプレートが怖いもの見たさ感を煽るような造形になっているからです。
しかも、前述のスカージの凶暴さとユニクロンからの支配を感じさせる鎖が巻かれているのと、下部が骸骨の歯の形に捉えられるような造形も要因の一つだと言えるでしょう。
胸部は一段前に出たプレートになっていて、その下側に腹部となるパーツが繋がっています。
脇腹の辺りを見るとこちらは変形の皺寄せが来ていて、だいぶほっそりとしています。
ただ、腰以下の部分に関しては拘りの造形を見せてくれます。
腰の左右からは銀色のパイプが回り込むように配置され、中央部分にはV字型が連なるような細かいモールドが重なり、また、汚れ塗装も施されています。
ただの平面的なデザインにしてもよさそうなこの腰の部分も、非常に緻密な造形とクオリティーで見過ごせない部分になっています。
SS-109 スカージ 腕部
まずはパッと見、両腕とも非常に長い!
しかも、左右で形状が違う!
その手には、凶悪さをこれでもかと誇示しているかのような武器が!
もうラスボス感極まりないですw
では、上部から詳しく見ていきましょう。
ポールドロン(肩当て)は肩から迫り出したデザインにされ、汚れの塗装が加えられてあります。
肩は変形の都合上、独特なジョイント部分を形成していて非常に面白く精密な構造になっています。
上腕は、上腕二頭筋の筋のようにも見えるデザインと造形で、前腕は、腕橈骨筋が盛り上がっているよう表現され、メカニカルなモールドが全体を覆っています。
手に至っても、外側、内側それぞれの関節部分にモールドが仕込まれていて、上腕から前腕、そして拳まで途切れることなく高い質感を維持していることに驚きです。
また、右手は指が4本あり、手を広げた状態と閉じた状態に変えられます。
さて、凶悪な武器を見ていきますか。
右手側には、超大型のブレードが肘の裏側に隠し持つことなく接続されていて、何があっても近寄りがたい存在感を放っているのが分かります。
しかも、このブレードにもしっかりとモールドと傷跡が付けられていて、手抜き感はありません。
一方、左手はいわゆる手ではなく、ビースト覚醒でエイプリンクに致命傷を与えた4本の長いクローアーム(爪)がそのまま装備されています。
このクローアームは根本の関節によって開くことができ、その威圧感を最大限誇張させられる武器になっています。
巨大ブレードとクロームアームをその手にしたスカージは、より一層際立った禍々しさが誇示され、彼の凶悪さを極限まで高めているのは間違いありません。
また、細かい点を加えると、鎖の巻き方が左右で異なっていて、ここにもこだわりが伺えます。
この両腕も本当に凄い作りこみで、見て触っているだけでもとても楽しめます。
SS-109 スカージ 背中 臀部
背中を見てみると、横に幅をとったガワが存在しています。
このガワはビークルモードの運転席の屋根と窓部分になっていて、確かに存在感はあるのですが、そこまで不自然なほどのガワにはなっていないことに感心します。
厚みは比較的あるにはあるのですが、背中の上部のみで収まりフラットな面で構成されているのと、ほぼシンメトリーな造形でまとめられているからだと思います。
むしろ、ビークルモードのマフラー4本が上部に迫り出していることや、オレンジ色のクリアパーツが配置されていることで、デザイン的にはカッコよく見えるほどです。
一方このガワの下部を見ていくと、急に奥まった臀部が現れます。
この臀部に関して言えば、いわゆるお尻感は無く、脚部の付け根然としたパーツになっていて、寂しい印象なのは否めません。
複数のビス止めもあり、正直、完全に裏側という印象ですね。
一番下にはフィギュアスタンド用の穴があり、胴体を支えることもできます。
SS-109 スカージ 脚部
脚部は、体長の比率としてはかなり長く、このスカージの見た目の印象を強くしている構成部分の一つになります。
内側には、変形のための大型タイヤを隠さずに表出し、その丸みを生かした造形により、流動性のあるエイリアンチックなデザインにされています。
大腿は短く、そこまで強調するデザインになってはいませんが、外周のモールドは細かく、そのまま下腿へと連なるように作られています。
また、大腿の内側はコストのためか肉抜き処理がされているのですが、右足に至っては、その肉抜きの上に鎖が巻かれていたりと、コストカットしたいのか、しなくてもよいのか、よく分からないような拘りもありますw
そして、膝から下の下腿は、前述したように丸みを意識したデザインと、メカニカルなモールドがふんだんに盛り込まれています。
このサイバー感を感じさせてくれるデザインに、ひたすら感嘆させられっぱなしで、時間を忘れたくなるほどずっと眺めていたくなります。
いやぁもうほんと、ここだけでご飯3杯はいけますねw
SS-109 スカージ 足部分
足は比較的大きめで、このスカージを支えるためには、このくらいは必要なことが分かります。
造形もまた見事で、つま先から踵側まで平面で終わらないデザインが続き、丸みを帯びたパーツで構成された、非常に凝ったものにされています。
そして、これは可動と被るのですが、この足にはジョイント部が実は二つあり、足の付け根と足首側にも備わっていて、そのジョイントがパッと見で分からないようにされている点が見事です。
SS-109 スカージ ビークルモード
まず見て驚くのは、あのロボットモードから、どうやってこのトラックの形になったんだ!?と思えることです。
あの、悪魔的であり、エイリアン的な要素を持つ姿が、影を潜めるかのように見事に大迫力なトラックに変形しています。
例えばオプティマスプライムの変形なんかは想像が付くんですよ、ロボットモードもビークルモードも基本的な形があり、それが踏襲されてきたから。
しかしこのスカージは、想像はさせるけど、どういったものに変形するかは予測がつかないモデルになっていて、非常に見事な変形になっていると言えるでしょう。
しかもね、このトラックも素晴らしくカッコ良すぎて興奮が止まらないw
このデザイン、車やトラック好きにはたまらないものがあります。
その前にこのトラックの簡単なご紹介
- 社名:ピータービルト・モータース・カンパニー(Peterbilt Motors Company)
- モデル:359
- タイプ:ボンネット型トラック(フロントが長いタイプ)
- 最高出力:約400馬力(典型例)
- 年代:1967年〜1987年
- 用途:林業用の材木運搬用途
落ち着いて見ていきましょう。
とにもかくにも、ビークルモードにしてもこのダークな色彩と禍々しいオーラが溢れて出ていて、近寄りがたいほどの不気味さを感じさせてくれます。
ほんと、ヤバイ雰囲気ビンビンですw
不気味さついでにちょっとしたうんちくを語ると、昔、「激突」というスティーブンスピルバーグ監督のテレビ映画(1971年)があり、そのトラックのモデルがビータービルトでした。
モデルは「281」で、その映画のトラックも非常に不気味で恐ろしいキャラクターとして描かれていました。
また、ピータービルトではないのですが、ジョージ・ミラー監督の映画「MAD MAX2」には、「Mack R-600 Coolpower」というトラックが世紀末的な武装を施して登場し、こちらも非常に見応えのある刺激的なシーンを作り出していました。
おそらく今回のビースト覚醒でも、それらの作品から影響を受けただであろうと思えるのと、そんなオマージュを盛り込んでスカージをデザインしてくれたことに、映画好きとして非常に嬉しく思っています。
もし違っていても構いませんw 私は満足しています!(キリッ!)
話を戻して、何より本当にこのトラックのクオリティーは高く、迫力さに痺れます。
トラックを形成しているパーツに平面的な要素はほぼなく、さらに「トラックとはこういうものだ」という細かい部分まで徹底的に再現されていて、トラックファンを唸らせられるほどの出来になっています。
しかも、凶悪そうなフロントバンパーから、サイドに張り出したエンジンパーツ、敢えてフロントガラスを半分も覆うサンシェード、そして怒涛の4本出しマフラーなど、カスタム要素がこれでもかと溢れていて、本当にカッコいいとしか言えないトラックです。
また、付属パーツを後部に取り付けられる仕様になっていて、林業用トラックとして木材を運ぶようなパーツ構成を作りつつ、スカージの従者であるテラーコンフリーザーかノヴァケインを搭載することもできるようになっています。
本当に、もう見れば見るほど非常に優れていて、増してやこれが玩具だということを忘れてしまうほどのクオリティーを誇っていることに感動してしまいます。
一方で、後方から見るとどうしても複雑な変形の皺寄せが来ていて、腕がそのまま飛び出していたりと、少々おざなり感は否めません。
まぁ、「でも、この程度であれば気にならないでしょ?」と言われているようで、確かにこのレベルでこれだけカッコいいトラックの形に収まっているんですから、帳消しにしてもいい気持ちにさせられます。
SS-109 スカージを子供の頃に持っていたら、本当に嬉しかっただろうなと心底思います。
SS-109 スカージ トランスフォーム!
テラーコンが「トランスフォーム!」って言うかは分かりませんが、まぁでも、その方がカッコいいのでw
変形は結構複雑です。
工程は少ないのですが、パーツごとの噛み合わせだったり、どこまで曲げ伸ばしていいかなどを理解しておかないと悩むタイプです。
特に、肩部の伸ばし方、運転席やフロントカウルの合わせ方、そして足部分の曲げ方など、覚えてないとアレ?ってなる感じの変形方法で、久しぶりに触るともう分かりませんw
また、前述しましたが、フロントバンパーが外れる仕様になっているため、その点がどうしてもスマートな変形にならないようになっています。
まぁ、おそらく固定してしまうと、非常に折れやすくなってしまうからだとは思いますが、ちょっと残念な点ではあります。
しかし、本当によくこんな変形方法を思いつくなと感心が絶えません。
SS-109 スカージ 可動域
可動は、ほぼ全身と言っていいほど動き、首、肩、肘、腰、大腿の付け根、膝、足首が動くように作られています。
また右手の開閉、ブレードの伸縮、クローアームの開閉も行え、至れり尽くせりでありて、ポーズさせるのが本当に楽しいフィギュアになっています。
ちょっとバランスを取るのが難しいですが、このようにハイキックもできます。
ただ一点だけ欠点もあり、手首だけは回らないようになっていて、その代わりとして、肘部分から腕ごと回せるようになっています。
SS-109 スカージ 付属パーツ
付属パーツはアームキャノンで、左腕のアームクローを肘部分から取り外して付けるようなものになっています。
つまり、いつでも好きな方を選べる構成になっていて、より多くの遊びに対応してくれます。
まぁどちらかと言えば、アームクローの方が遊びごたえはありますがw
また、前述したようにアームキャノンはちょっとした変形をさせることにより、ビークルモードの後部に載せられる仕様になっています。
このような、武器を変形させて取り付けるという手法は珍しく、トランスフォーマーの世界でも少ないパターンだと思います。
また、アームキャノンの造形は、平面構成ではなくしっかりとしたデザインが施され、サイバトロン(セイバートロン)星の何かのオブジェとして見れるような、そんな作りにされています。
立たせて並べるだけでジオラマにも使えそうですが、さすがに複数を集めることはできないですねw
SS-109 スカージ 比較
比較はSS-118 オプティマスプライマルと。
両者ともリーダークラスなので大きく貫禄があるのと、このまま戦いが避けられない雰囲気をひしひしと感じてしまいます。
ただこの二人って、実際ビースト覚醒では直接対決はしていないので、もし戦うシーンがあったらどうなったのかなと、想像をさせてくれますね。
SS-109 スカージ ポーズ
スカージはやはりあの凶悪さが魅力です。
どんな相手にも手加減や慈悲を与えない。
一瞬でも隙があれば、即座に刃向かう者の命を奪おうとする。
まさしく、極悪非道なボスとしてのキャラクター感が際立っています。
最後は敢えて暗くしてみました。
SS-109 スカージ 総評
SS-109 スカージは、リーダークラスということもあり大型で、非常に複雑な構成と立体感を伴い、まずはその姿に圧倒されます。
過去のトランスフォーマーの中でも、1位2位を争うほどの不気味さや禍々しさを感じ、正に悪のボスとしての威厳に満ちたトランスフォーマーだと思います。
元々がコンセプトアートをモデルにしているので、最終デザインであるビースト覚醒のスカージとは若干違う箇所も見受けられますが、これはこれで納得できるデザインと言えるでしょう。
細部まで非常に拘りのある造形で、どこから見ても手抜き感は感じません。
全身の見事なプロポーションとその出来に感嘆するばかりです。
武器パーツも大柄かつギミック付きで、さらには交換も可能という至れり尽くせりで、満足感が非常に高いのは間違いありません。
ビークルモードへの変形は、非常に工夫を凝らした変形方法であるのと同時に、そのスタイルのカッコ良さに痺れます。
トラック単体で見ても、過去の映画のオマージュ的要素もあったり、仮に違っていたとしてもそれを思い起こさせるデザインで、映画ファンであるほど「おっ!」と唸らせられます。
一方で、変形時には、どうしてもフロントバンパーが外れてしまう仕様になっていて、ここは煩わしさを感じるマイナスポイントでもあります。
この変形がすんなり思った通りに組むことができていれば、本当に最高な作品になったと言えるでしょう。
とはいえ、そういった部分を払拭するような完成度になっているのは間違いなく、これを手にしたらおそらく誰もが脱帽するはずです。
SS-109 スカージは、悪のボス感MAXなデザインでクオリティーは非常に高く、十二分に満足できる、いじって遊んで楽しい一品になっています。
今購入するにはプレミアムな値段が付いてしまっていて、なかなか手に取るのは難しいかもしれませんが、もし手に入れられることがあれば、思う存分堪能してほしいと思います。