はじめに
映画「トランスフォーマー/ビースト覚醒」に登場したオプティマス プライム。
このページは、その玩具であるスタジオシリーズ SS-122『オプティマス プライム』の紹介ページです。
基本情報
玩具情報
メーカー | タカラトミー・Hasbro |
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タカラトミー:IDナンバー&商品名 | SS-122 オプティマス プライム |
Hasbro:IDナンバー&商品名 | 102 BB Optimus Prime |
日本発売 | 2023年3月下旬 |
クラス | ボイジャークラス |
希望小売価格 | 6,050円(税込) |
メディア情報
登場タイトル | トランスフォーマー ビースト覚醒 TRANSFORMERS RISE OF THE BEASTS |
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映像タイプ | 実写映画 |
日本公開 | 2023年8月 |
キャスト | Peter Cullen |
キャスト(吹替) | 玄田 哲章 |
キャラクタースペック
勢力グループ | オートボット |
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ロボットタイプ | 人型(男性タイプ) |
性格 | 誠実、頑固、仲間想い |
特徴 | オートボットのリーダーとして揺るぎない信念を持って戦い、そして仲間のためには自らの犠牲をも厭わない |
トランスフォームタイプ | ビークルモード・フレイトライナー FLAセミトラック |
カラーリング | 赤と青をメインにしたカラーリング |
トランスフォーマー ビースト覚醒における簡単な紹介
オートボットのリーダーであるオプティマス・プライムは、母星であるサイバトロン星に帰還することを目的とし、地球人たちから身を隠しながらその方法を模索していた。
しかし、その鍵となるトランスワープキーを人間が見つけたことにより、ノア・ディアスという人間を使って手に入れようと画策するも、宇宙から到来したユニクロンの一派もキー奪いに来たことから、仲間とともに熾烈な争奪戦へと身を投じることになる。
SS-122 オプティマス プライム 外観
映画「バンブルビー」で、実は地球に降り立っていたオプティマス プライム。
ビースト覚醒に至ると、トランスワープキーを巡る戦いにその姿を現して、オートボットだけでなく、新たな仲間となったマクシマルとともにテラーコンを一掃するという大活躍を見せてくれました。
そんな「SS-120 オプティマス プライム」のスタジオシリーズは、本来であればタカラトミーより映画公開前に発売されてもおかしくはないメインキャラクターでありながら、公開8ヶ月後に発売されるという、こちらもだいぶ遅れたトランスフォーマー玩具です。
ただその理由としては、スタジオシリーズではない、「デラックスクラス オプティマス プライム」という商品が映画公開時に発売されていたため、そちらを販売上優先したと考えるのが自然でしょう。(デラックスクラスのオプティマス プライムも良くできていました)
では、外観から見ていきましょう。
過去のアニメや映画にはそれぞれの方向性があり、どれも違いを見せてくれましたが、このSS-120 オプティマス プライムは、史上一番スタイリッシュな姿なんじゃないかと思います。
G1世代型のオプティマス プライム(コンボイ)を、2023年のデザイン、実写映画版、キャブオーバー型トラック、そしてそのロボットモードを考慮した場合、ほぼ完成系とも取れる仕上がりに作られていると思います。
全体的に縦に引き伸ばされシュッとした印象で、まさにイケメンという言葉が似合う、洗練されたオプティマス プライムと言えるでしょう。
もう、本当にカッコいい出来栄えで、ヒロイック感万歳のこの姿を見るたびにいつも感動してしまいます。
次の実写映画版のオプティマス プライムが、このG1路線で進むのか、それともマイケル・ベイ映画のような方向性に向かっていくのか、期待とともにとても気になります。
SS-122 オプティマス プライム 頭部
頭部はいつもと同じようなデザインですが、細く小さめに作られています。
おそらく全身がスタイリッシュに見える理由は、この小さめの頭部のおかげとも言えそうです。
そして、この小ささでありながら、非常にディテールの細かいモールドが作られ、感嘆に値するほどの顔の造形が作られています。
細部を見ると、ビースト覚醒さながらの、ひたい、目元、マスクまでが、高いクオリティーの出来栄えになっているのと、左右の耳元からアンテナとも取れる部分、後頭部も細かいモールドが掘られ、手抜き感は一切感じません。
精悍な顔つきは元より、オプティマス プライムの深淵を覗きたくなるような、そんなずっと眺めていたくなるような顔になっていると思います。
後頭部もモールド全開です!
一方で、目元が奥まり過ぎていて、せっかくのモールドも作られた瞳が前から光を直接当てないとほぼ見えず、寂しく感じることは否めません。
SS-122 オプティマス プライム 胸部 腹部
胸部は、初代から馴染みのある、赤い箱型で構成され、シンメトリーかつ、ごちゃごちゃしていないシンプルさに安堵感を覚えます。
中央には、実写映画版特有でもあり、変形の都合上でもある、少し開かれた(割れた)構造になっていて、ある意味たくましさも感じます。
この胸部にはマトリクスの搭載はなく、ただ、それを見越した上でなのか、わざわざ窓の中に上下に及ぶ縦の線が設けられていて、これがマトリクスのアウトラインを思わせるかのようなデザインになっています。
実際にマトリクスはないと分かっていながら、あるように錯覚を覚えさせる点は秀逸で、こういったアイデアを盛り込んでくることは流石です。(もちろんマトリクスを搭載できるほうがもっと嬉しいですがw)
そして腹部には、実写映画版特有のメカニカルなモールドの塊が作られていて、非常に見応えがあるパーツになっています。
この細かいメカニカルさが最高でたまらないところなんですが、左右の腹側には塗装がされ、よりリアリティーを演出しているのに対し、一番、目につく中央部分には塗装が施されておらず、ここは残念な点です。
SS-122 オプティマス プライム 腕部
オートボットのマークが大きく主張された肩部から前腕まで、箱型の腕部はいつもと変わらないですが、比較的、長方形を強調したような箱で、全体的に長めになっています。
肩部には、昨今のオプティマス プライムとしては珍しい、ビークルモード時の長いマフラーとなるパーツがあり、この長さにより、より力強さが主張されているとも言えます。
肘の部分は変形の都合上二重ヒンジになっているため、こちらも長めに作られています。
前腕も箱型で構成され、逞しい腕を強調しているかのようであり、加えて上腕から前腕全体でもスタイリッシュさが感じられるようにされています。
肘から前腕にかけては、細かいメカニカルなモールドが前面と外側にありますが、箱型の制限だからでしょうか、大掛かりなデザインにはなっていません。
SS-122 オプティマス プライム 背中 臀部
非常にスマートな背中になっています。
一応ガワではあるのですが、とても薄くコンパクトで、しかもきちんと「背中」としてのデザインがなされているため、ガワっぽさをほぼ感じさせない造形になっています。
これは見事しか言いようがなく、秀逸過ぎるまとめかたに感嘆します。
下部に目を移すとビークルモードのフロントタイヤが隠れるようになっているのですが、
この隠し方も絶妙です。
完全に隠れているわけでも、目立ってしまっているわけでもなく、実写版のむき出しっぽさが残された配置構成になっています。
また、下部から覗き込むと、タイヤに挟まれた中央にはシリンダーらしきモールドが作られていて、自ら見ようとしないと見えない場所にも関わらず、こだわりを感じます。
臀部もスマートで、とてもシンプルな作りになっています。
後ろ姿だけでもサマになるオプティマス プライムは、トランスフォーマーの中でも希少だと感じます。
SS-122 オプティマス プライム 脚部
脚部はどっしりとした、非常に安定感のよい造形になっています。
腰部は往年のオプティマス プライムのデザインに近く、黄色のライト的塗装が映えているのがいいですね。
また、「ここの塗装もよくやるなぁ」と思ったのが、腰の上部です。
この部分に青い塗装がされていて、ほとんど見えない場所にも関わらず感心します。
腰部分のモールドは少ないながらきちんと作られてあり、ただの平面にしていないところが嬉しいところです。
大腿は、前面に関してはほぼ平らな印象を受けますが、しかし内側に目を向けてみるとモールド全開の造形が現れます。
メカニカルな要素を多く詰め込んだこのディテールに痺れますね。
ただどうしてか、膝部分のピンの位置とモールドが合致していなく、ズレが生じているところが残念でもあります。
膝自体は、実写映画版オプティマス プライムの特徴の一つと言えそうな、前面に突出した複雑なパーツ構成にされていて、よりカッコ良さに磨きをかけています。
おそらく、この膝から繰り出す膝蹴りは、凶器とまごうことなき威力となり、蹴りを受けた相手には御愁傷様としか言いようがない状態になるんだと思いますw
下腿は、いつもと同じ青の成形色に加え、銀の塗装パーツによって構成され、オプティマス プライムの特徴の一つが形作られています。
前面の銀色のパーツがラジエーターを模しているのか、ちょっと不明なのですが、細かい同じようなモールドが縦に並べられ、機械的なリアリティーが増しています。
内側にも多くのモールドと複雑なパーツ構成により、メカニカル感が強く演出されていて、ここもいいですね!
外側には、剥き出しのリアルなタイヤがそのままデザイン化されてあり、よりリアリティーさが足されています。
このタイヤは、ロボットモード時でも問題なく回ってくれ、ホイールのデザインも凝っているおかげで、映画のような回転しながらの変形シーケンスを意識して遊べるのがいいですね。
足は青い成形色とされ、平たい造形により全身を支えています。
つま先からかかとまでモールドもしっかり加えられ、複雑な作りをされていることが分かります。
SS-122 オプティマス プライム ビークルモード
SS-120 オプティマス プライムのビークルモードは、前作「バンブルビー」同様、G1シリーズから踏襲されたキャブオーバー型トラックへと変形します。
実在するトラックのモデルは、フレイトライナー・トラックスの『FLA(フレイトライナー・アッセンブリー)セミトラック』を元にしているのですが、ライセンスは受けておらず、あくまでそれらしいトラックというデザインに留められています。
- 社名:Freightliner Trucks
- モデル:FLA 86
- タイプ:キャブオーバーデザイン
- 1989 Model エンジン:Caterpillar 3406B, 425 HP
- 1990 Model エンジン:Cummins NTC, 300 HP
キャブオーバー型トラックは、G1世代にとってはとても嬉しいデザインであり、加えてこのオプティマス プライムにはさらに大きなフロントバンパーが装備された、カスタムモデルになっています。
アメリカントラックにバンパーが付いているととてもカッコよく見えるので、このオプティマス プライムにも付けてくれたことには個人的に嬉しいポイントです。
ちなみに、デラックスクラスのオプティマス プライムには、このバンパーがフロント面に貼り付いたデザインだったのに対し、このモデルではきちんと別パーツになっているところにクオリティーを感じます。
赤いキャビン(運転席)は、タイヤよりも内側に設計されているのと、車高を高めにされたデザインのおかげで、全体的に小さめに作られています。
細かい点で言えば、フロント面にはサンシェード、ウィンドウ、ワイパー、フロントグリル、ライトと、しっかりと造形が行き届いているのが分かります。
フロントマスク全体で言えば、前述のようにアメリカントラックらしい大型のバンパーが付いていることで、迫力さがより表れています。
キャビンのサイド部分は、G1のオプティマス プライムとほぼ変わらないようなデザインで、ウィンドウがあり、ドアの接合部などはモールドで形作られています。
キャビンの後部には、珍しく高く伸びたマフラーがそびえ立っていて、こちらもこのオプティマス プライムの特徴の一つとなっています。
横から見た場合には、まずはタイヤとホイールがしっかりとデザインされていることが分かります。
しかも、フロントホイールとリアホイールのデザインが違うのと、タイヤの幅も違うので、ただ単に同一パーツにしていないことにクオリティーを感じます。
下部のフレームデザインやガソリンタンクなどもしっかりとモールドや造形が凝っていて、飽きさせないデザインは見事です。
一方で、キャビンの後部にはトレーラートラックらしからない、まとまりのないごちゃごちゃした状態が目立ちます。
ロボットモードにはガワ要素がほぼ感じられたかったのに、その反面、ビークルモードにガワを付けたような感じでしょうか、これはこれで残念に感じるところです。
SS-122 オプティマス プライム トランスフォーム!
変形パターンは簡単な部類に入ると思います。
唯一、ドアのパーツを天面に被せる形でまとめるのですが、この部分がきつめで合わせるのに難儀するかもしれません。
バーン!!
SS-122 オプティマス プライム 可動域
可動は全体的に動き、首、肩、肘、腰、大腿の付け根、膝、足首が動くように作られています。
これによって、おおよそ好きなポーズを作ることができます。
このオプティマス プライムには、二つ凝った可動部分があるのが特徴です。
一つ目は、肘にはヒンジが付いた二重関節になっていて、後方側に腕を曲げることができます。
まぁ、使い道は戦ってやられているシーンの再現とかしかないのですが、それでも面白い可動です。
二つ目は、大腿の付け根が中心よりも前方側にジョイントが配置され、頭部よりも高く足を上げることができるようになっています。
これにより腰の前後可動も相まって、あぐら的なポーズが可能です。
(エネルゴンでも1杯どうだ?)
一方で、問題がないわけでもなく、気になる可動部分があります。
お気づきの通りそれは肩部で、肩が胸部の上に載るタイプであり、こうして肩を上げるとすぼめるようなポーズになってしまうことです。
肩部の両マフラーが頭の上に届いてしまっていて、頭頂部で重なるという奇妙を構造を作ってしまっていて、人によっては違和感を感じるかもしれません。
また、脚部自体を大腿部から後方側に回そうとすると、大腿の裏側が腰に即干渉してしまい、膝から曲げる方法しかとれず、前方には脚部を上げることができるのに、後方にはできない点が「う〜ん」となりますw
これらの制限された可動を気になるかならないかで、評価が大きく変わるかもしれません。
SS-122 オプティマス プライム 付属パーツ
ソードとブラスターが付いています。
ソードはしっかりとデザインされ、クオリティー高く作られていることが分かります。
この独特な形状はヒロイック的であり、メカニカルなモールドも多く付けられ、非常にカッコいいソードになっています。
手に持たせることは当然ながら、ビースト覚醒時のバトル同様に前腕に差し込む形で取り付けることもできます。
こういった戦闘状態をしっかりと再現できるのは嬉しいですね。
ブラスターは拳の変形後のタイプで、前腕に手首を収めた際に取り付けることができます。
ただ、正直このブラスターに迫力があまりなくて、ちょっと寂しい印象があります。
SS-122 オプティマス プライム 比較
比較はスカージと。
ビースト覚醒ではそこまで差はなかったのですが、明らかにオプティマス プライムの方が小さめに作られています。
SS-122 オプティマス プライム ポーズ
基本的にはカッコいいのは間違いなく、どんなポーズもさまになります。
ただ、前述したように、肩部の可動については考える必要があり、なるべく自身で気にならない場所を探しながらポーズを付けることになるかと思います。
元より気にならないなら何も問題はありませんw
SS-122 オプティマス プライム 総評
ビースト覚醒のオプティマス プライムは、実写版としては7代目にあたるわけですが、その姿は映画「バンブルビー(2019年日本公開)」から引き継がれた、ロボット、ビークルともにアニメ版をオリジナルとするようなデザインが踏襲されました。
映画「バンブルビー」では、オプティマス プライムが登場するシーンは少なく、そこまで活躍の幅を広げることはありませんでしたが、ビースト覚醒では他のオートボットやマクシマルとともに大活躍してくれ、ファンとしてとても満足できる姿を披露してくれました。
このSS-120 オプティマス プライムもヒロイックさは秀逸で、全体的に過去作よりスタイリッシュさが増し、非常にカッコいいトランスフォーマー玩具になっています。
全体的に長めで高長身が映え、往年のデザインではあるものの、新しさがきちんと盛り込まれている点はさすがであり、実写映画版特有の複雑な造形もそこかしこに再現されていて嬉しいところです。
手に持った触り心地も最高で、ロボットモード、ビークルモードともに非常に遊びごたえがあり、満足度が高いのは間違いありません。
一方で、可動については肩部や脚部の動かし方、ビークルモードの脚部の収め方など、疑問に残る点はあり、ビースト覚醒におけるフラッグシップなフィギュアの一つでありながら、少々残念に思うところもあります。
ビースト覚醒で、オプティマス プライムはスカージに一度負けはしたものの、最終決戦ではリーダーとしての力強さを発揮し勝利をもぎ取ることができました。
それは、とても気持ちのいい戦いぶりであり、胸を熱くさせてくれ、オプティマス プライムここにありという存在感を大きく示してくれたように思います。
実写版の次回作はまだ先でしょうが、次はどのようなオプティマス プライムが見られるのか、どう活躍してくれるのか、スタジオシリーズではどう進化を遂げるのか、さらに期待が高まりますね。
まさか、これが2007年映画の布石だったのか?w