はじめに
映画「バンブルビー/トランスフォーマー」で、コンセプトアートのみ制作された未登場メガトロン。
このページは、その玩具であるスタジオシリーズ 『SS-127 メガトロン』の紹介ページです。
基本情報
玩具情報
メーカー | タカラトミー |
IDナンバー&商品名 | SS-127 メガトロン |
日本発売 | 2024年5月下旬 |
クラス | リーダークラス |
希望小売価格 | 8,250円(税込) |
メディア情報
登場タイトル | バンブルビー (BUMBLEBEE TRANSFORMERS) |
映像タイプ | 実写映画 |
日本公開 | 2019年3月 |
キャスト | -unknown- |
キャスト(吹替) | -unknown- |
キャラクタースペック
勢力グループ | ディセプティコン |
ロボットタイプ | 人型(男性タイプ) |
性格 | -unknown- |
特徴 | 3形態へと変形可能なトリプルチェンジャーであるということ程度 |
トランスフォームタイプ 1 | ビークルモード:SFタンク |
トランスフォームタイプ 2 | ビークルモード:SF戦闘機 |
カラーリング | シルバーをメインにブラックであしらう |
SS-127 メガトロン 外観
正直どこから進めていくか悩むほど、とにかくもの凄いクオリティーなのが一目瞭然です。
プラスチック製なので、超合金などの重量級ではないものの、それを感じさせるほどの重厚感がこのメガトロンには溢れています。
そして、恐ろしいほどのメカメカしさで、平面的なパーツがほとんどないことに唖然としてしまいます。
ほぼ全ての箇所に超高クオリティなモールドが搭載されていて、映画などで登場するAIが作ったかのような、そんなSFロボット感満載です。
過去を思い返すと、往年の直方体を多用したシンプルなメガトロン、アニメ版のさまざまなメガトロン、実写映画版の複雑な多面を施したメガトロンとありましたが、これはまた、別軸のさらに進化を経たメガトロンになっていると言えます。
これだけの圧巻の出来にただただ感嘆するばかりです。
さて、ここでダラダラと話をしても何も進まないので、これから細かく見ていこうと思いますが、先にお知らせしておきたいのは、以下、ひたすら褒めていますw
SS-127 メガトロン 頭部
まずは顔ですが、この顔だけを見るだけであれば、トランスフォーマーファンであってもメガトロンかどうかの判断は難しいかもしれません。(映画版はそうですがw)
唯一、ひたいが広いことでメガトロンらしさを感じるものの、言ってしまえばその程度であり、SF映画のロボットキャラクター感の方が強いと思います。
それを裏付けているのが、顔面のモールドのすさまじさに尽きます。
目元から鼻、口元、なにより頬の部分がおよそミクロ単位で作られているほど、超高精細な顔を作っていて、精巧すぎるがゆえに恐怖感すら覚えるほどです。
また、赤く塗装された目がヴィラン感を醸し出すのに一役買っていて、決して優しさや慈悲を持ち合わせず、冷酷そうなキャラクター感として描かれている点にも注目です。
一方、後頭部は全体的に丸められたシンプルな作りで、なぜかこちらの方がメガトロンらしさが出ているような気分のなるのは不思議ですw
とにかく、顔面部に集約されたこれでもかというほどのモールドは、新しいメガトロン、引いては玩具技術の進歩すらも見せ付けてくれています。
SS-127 メガトロン 胸部 腹部
他のパーツが圧倒的情報量を持っている傍ら、その反面、胸部は比較的シンプルに仕上げられています。
中央の平面的な胸部アーマーにはディセプティコンのマークが鎮座し、その勢力の存在を堂々とアピールしていて、だからこそシンプルな面として作られていることが分かります。
その下部である腹部に目を移すと、左右の前鋸筋を思わせるようなシリンダー的な造形が備わり、この辺りのメカニカルな配置がここにV型エンジンでもあるかのように思わせてくれています。
胸部・腹部の造形は、敢えて強調された他のパーツとの差別化を図ることで、この胸部に注意が向くように作られていると感じます。
SS-127 メガトロン 腕部
肩から見ていくと、これまた今までになかったようなデザインが作られていて、非常に目を引く造形になっています。
エンジンとクランクシャフトを繋ぐフライホイールを思わせるような円盤(もしくはディスクブレーキ?)が前面にあり、それを覆うようにアーマーパーツで囲まれています。
さらに、円盤上部には非常に小さいチューブ類が配置されていたり、外側には肩部を守る堅牢そうな装甲板、背面側にはしっかりと説得力を持つような機械的な造形が施されていて、ここのパーツを見ているだけでもとても楽しめます。
そこから下部に目を移すと濃い赤で塗装された上腕があり、この部分はこのメガトロン唯一と言っていいほど筋肉質的なカーブラインが形成されています。
また、可動の関係で、前面より裏側の方がモールドが多いのと、肉抜きもない構成にこだわりを感じます。
そして、次に豪快な太さと迫力を持つ前腕部。
前面には精密なメカニカルな造形が施され、外側は段差を付けられた平面的な構成、裏側は段差は抑えられたものの多面的な造形と、この前腕部も非常に見応えがあります。
さらにその先の拳も見事で、しっかりとした指として機能する可動を備えています。
可動のセクションでも書きますが、親指の可動はないものの、残りの指の第二関節、第三関節が動き、しかも人差し指は独立した可動を可能にしています。
これだけの密度を持ちつつ、指の可動も相まって腕部だけでもとても楽しませてくれます。
SS-127 メガトロン 背中 臀部
背面はとてもスッキリしていて、バックパックはあるものの、トランスフォーマー的なガワは存在していません。
これは本当に秀逸です!
バックパックの造形も見事で、これでもかというほどのメカニカルな造形がなされ、一切の妥協の無さを感じます。
背中の穴には武器であるキャノンを取り付けることができ、収納として、変形後の武器配置としての機能を有しています。
下部部分に変形する際のヒンジの部分がありますが、それがそのまま機械的な造形に生かされていることに注目です。
臀部はさすがに平面的と言え、スマートな造形に留められスッキリとしています。
大抵トランスフォーマーには、背中を見ると何かに変形しそうな構成や雰囲気を感じ取る事ができますが、このメガトロンはあまりにもスリムな背中なので変形感を感じられません。
まるで純粋なフィギュアのようで、非常に見事であり、素晴らしいとしか言いようがありません。
SS-127 メガトロン 脚部
まず腰部から見ていくと、前面側には左右に開閉するプレートがあります。
実際、このプレートがなくても特に支障などはないのですが、やはりカッコ良さに直結する箇所なので、あった方が見栄えがいいパーツになります。
しかも、見て分かるようにこのプレートもしっかり作られていて、脚部の可動の妨げにならないように工夫されている点も嬉しいところです。
そのプレートを開くと大腿が現れますが、付け根の丸いジョイントパーツすらも手抜きがありません。
膝にはアーマー的なパーツがあり、先進的な尖ったデザインで非常にカッコ良さに磨きがかっています。
また、この膝のアーマーも開くことができ、大腿の前面が現れるようになっているのですが、ここにも手抜き感はなく、さらに外側、内側にも徹底的なモールドが施されています。
そして、下腿はまたとんでもない迫力を醸し出すパーツ構成に仕上がっています。
どっしりとしたアーマーで覆われた多面的な造形で、これまた細かいモールドやデザインも加わり、力強い重厚感のある下腿を形成しています。
足部分も複雑な面形成が施され、このメガトロンのデザインに見合った足であり、この大きな体躯をしっかりと支えてくれています。
背面から見ると、SFタンクに変形する傍ら、クローラー的な造形パーツが目を引きますが、膝の関節部分のヒンジが非常に極太で、この膝部分をただ動かして回すだけでも見ていて楽しいものになっています。
下腿側のクローラー部は、変形の都合上肉抜きが存在していますが、それでもそこを隠せるようにビークルモードの翼パーツがそれを覆い、やはりここにも手抜き感なくクオリティーを感じさせてくれます。
足のかかとがわは大きく割れた状態で作られていますが、コストカットのような感じではなく、このようなデザインであることがしっかりと分かる造形になっています。
SS-127 メガトロン ビークルモード1 『SFタンク』
このメガトロンはトリプルチェンジャーなので、二つのビークルモードへと変形できます。
一つ目は「SFタンク」と名前が付けられた、戦車タイプです。
このタンクもまた、とんでもない見た目をしています。
戦車として見れば、正直地球の戦車らしいものは感じ取れませんが、サイバトロン星の戦車であり、そもそも人が乗るという設定が必要ないので、このようなデザインと受け止めれば特に違和感はありません。
そして、このタンクもロボットモードと同様ながら、すさまじいクオリティーを放っていて、どこを見ても妥協なく、あらゆる「面」にモールドが付けられた、超多面的な構造を伴ったタンクにされています。
戦車としてここまで複雑な造形が必要かと問われると正直分かりませんが、SF的なメカとして捉えれば最高にイカした造形であるのは間違いないでしょう。
ギミックとしては、砲塔というか砲台が360度の回転と縦方向への回転が可能で、しっかりとユーザーの「ごっこ遊び(ブンドド)」に答えてくれています。
一方で、個人的に残念なのは、このタンクモードは、コロ走行を楽しむことができない点です。
理由として、クローラーそのものが回らないのはこの時代の玩具として半ば当たり前ではありますが、クローラー下部にあってほしかった走行用の車輪が付いていないことが挙げられます。
これは非常に惜しく、なぜならクローラー下部には車輪っぽい突起がわざわざ造形されていて、車輪を付けられるような考えやその余地があったことを窺わせるからです。
リーダークラスという高価格帯かつ、ここまでのクオリティーを実現させていながらも、おそらく、最終的なコストカットとして、車輪を省くことを余儀なくされたのではないかと勝手に推察してしまいます。
SS-127 メガトロン ビークルモード2 『SF戦闘機』
さて、二つ目のビークルモードは「SF戦闘機」です。
2007年の初代実写映画「トランスフォーマー」版のメガトロンもまた、「エイリアンジェット」と名付けられた戦闘機へと変形していたので、こちらも特に違和感はありません。
そればかりか、トリプルチェンジャーにしてきたことが驚きなので、むしろありがたい限りすらあります。
しかも、このSF戦闘機も手抜き感なくとてもカッコよく、複雑な面と独特のフォルムを構成しつつ、細かい箇所もモールドの嵐と凹凸が伴った表面で、クオリティーが半端ありません。
これだけの凹凸があるとステルス性など皆無のように思ってしまうのですが、元々、トランスフォーマーにステルス性など必要ないのでしょうねw
造形としては、まず前部に戦闘機らしいコックピット的パーツがあるのと、後部のジェット?ロケット?のノズルがあり、小さいながらも上下に角度を変えられる翼があります。
また、ギミックとしては、左右から突き出ている膝部分の尖ったパーツが内側から外側へと動かすことができ、未来的な武器のようにも見えるのと、ロボットモード時のサイドスカートが上下に動くので、エアブレーキ的な遊びも可能です。(穴が空いているのはご愛嬌w)
下部中央のキャノンはこのまま下部の配置と、上部に取り付けることもできますが、その場合は中央位置ではなく、左右どちらかの片側に載せることになるので、シンメトリー感が薄れてしまうことになります。
まぁ、遊びとして好きなようにしてという感じではありますがw
このSF戦闘機は、メカメカしさがとても魅力的であり、単体のSF戦闘機玩具として見ても素晴らしい作り込みだと言え、これがメガトロンだということを忘れてしまいそうな感じです。
SS-127 メガトロン 隠し?モード『ガンモード」
実はこのコンセプトアートメガトロン、さらにとんでもないモードへとトランスフォームできるようになっています。
これは公式設定ではなく、ファンが見つけてくれたようのですが、G1世代のメガトロン同様なんとハンドガンにトランスフォームできるようになっています。
銃としては未来的なデザインへと変形することになりますが、これがまたよく出来た変形であり、非常に手に持ちやすく、このまま遊べるものになっています。
もう何もかもが見事過ぎる!
果たして、このモードをデザイナーが意図していたのかは不明ですが、間違いなくハンドガンとしての変形を可能にしていて、我々ファンの想いや願いをなるべく叶えてくれようとしていることを感じてしまいます。
SS-127 メガトロン トランスフォーム!
SFタンクからロボットモードに変形させます。
(カノンが逆になっちったw)
難易度的には低いですが、少々複雑なので手間取る感じです。
でも楽しいですね!
SS-127 メガトロン 可動域
可動は脅威的であり、首、肩、上腕、肘、前腕、手首、指、腰、大腿の付け根、膝、足首の、ほぼ全身が動きます。
感嘆すべき箇所は、先述したように手の指であり、第二関節と第三関節が開閉し、自然な手の開き具合を再現可能です。
つまり人差し指を指して「この愚か者め!!」みたいな事ができる!!
これも凄すぎるw
また、個人的に嬉しいのは足の上下の可動が容易で、足首を曲げられる点です。
基本的にトランスフォーマー玩具の足は、左右への可動については可能な限り搭載されているのですが、その分変形上の制限で、その多くが上下の可動は少しだけしか動かないことが多いです。
そのため、いつも下腿のパーツが干渉してしまいポーズ付けで悩まされるのですが、このメガトロンはしっかりと足首が動くので、ポーズを付けることが楽でとても楽しめます。
これは本当に嬉しい!
また、その可動範囲を確保するために、フロントスカート及びサイドスカートが開閉するというギミックが搭載されているので、制限がない動きにも好印象です。
お馴染みハイキックも可能!
SS-127 メガトロン 付属パーツ
付属パーツは大型の融合カノンです。
このカノンもまた、徹底的に作り込まれたアイテムになっているのが分かります。
見事な造形と数多くのモールドが、付属パーツであってもクオリティーを一段引き上げてくれているように感じます。
縦に置けばちょっとしたロケットのようにも見え、このカノン自身が飛んでいきそうな雰囲気を感じます。
そんなカノンですが、ないものねだりはあるものの、グレーの部分を銀に塗装してくれていたら完璧だったなとは思います。
SS-127 メガトロン 比較
プレミアムフィニッシュ、WFC(War For Cybertron : SIEGE)メガトロンと比べてみます。
コンセプトアート版の方が頭一つ抜けていて、クラスが一段上だということが分かりますね。
WFC版メガトロンは、往年のメガトロンタイプであり、基本的にシンプルな直方体で構成されています。
それに対し、コンセプトアート版メガトロンの造形にはその優れた精細さが光っていて、単純に凄さを感じることと玩具の進化に思いを馳せることもできます。
もちろん、WFC版メガトロンも優れていますがw
やはり顔の違いが顕著なので、こうして並べても違うロボット感が否めず、またWFCメガトロン版の方が『破壊大帝感』があって、コンセプトアート版メガトロンの方にどうしても部下感を感じてしまうのが面白いです。(多分しゃべったら違うんでしょうけどw)
SS-127 メガトロン ポーズ
先述したように、可動範囲が非常に多いので、おおよそ好きなようにポーズを取らせることができます。
そのスタイルとクオリティーが高いおかげでガンガン遊ぶもよし、飾るもよしと、手に持つ喜びと楽しさを与えてくれます。
さらに、他のトランスフォーマーの武器を持たせるともっと楽しめます!
SS-127 メガトロン 総評
SS-127 メガトロンは、非常に優れたトランスフォーマー玩具であり、またスタジオシリーズを代表するような、一段上位のクオリティーに仕上がっていると言えます。
メカニカル感を全面に押し出したそのデザインは、手抜き感が一切なく、あらゆる箇所が精巧に作られ、決して飽きさせることがないようにと、こだわり抜かれています。
変形については、これだけのクオリティーを誇っているにも関わらず、トリプルチェンジャーであること、そして、その変形にも非常にオリジナリティーが光っていて、どちらのモードであっても変形することを楽しめます。
しかも隠れたガンモードが可能なことも付け加えておかなければなりません。
唯一心残りなのは、SFタンクに車輪がなくコロ走行が出来なかった点であり、ここだけ個人的には残念に思っているところです。
このSS-127 メガトロンは、現在のスタジオシリーズとしてのトランスフォーマー玩具として見た場合、おそらく最高点の一つと捉えてもよいと思えるほどの出来であり、非常に満足度が高い一品となっています。
映画バンブルビーに登場するはずだった幻のメガトロンではありますが、逆に言えば幻であったからこそ、このコンセプトアートでは一切の事前情報なしで手に取ることができ、また余計な相違点も考える事なく遊ぶことができます。
それはつまり、誰も見ていなかったからこそ、大幅なコストカットして発売することも可能ではあったわけで、それにもかかわらず、このメガトロンを徹底的に細部までこだわり抜き、高クオリティーの塊として発売してくれたことに感銘を覚えます。
おそらく手にした人は、誰もが満足できる仕上がりであり、飾ったりさまざまな空想の中で純粋に遊ぶことができると思います。
それほど、子供心に火をつける非常に優れた商品と言っていい出来であり、素晴らしい仕事ぶりだとも言えます。
将来、このメガトロン以外のコンセプトアート版のスタジオシリーズが登場するかは不明ですが、もしその機会があれば、きっとまた我々を楽しませてくれることを期待したいですね。