先ずはTRAKTORの概要から
TRAKTORはNATIVE INSTRUMENTS(ネイティブインストゥルメンツ社)のDJソフトです。
種類として通常モードのTRAKTOR PRO 2、DVSとしてレコードにも対応したTRAKTOR PRO 2 SCRATCH版があります。
画面はこんな感じ
基本的に初心者の方はTRAKTOR PRO 2版で問題ありません。
既に色々と機材を持っていてレコードも使える、もしくは将来的にレコードも扱いたいという方はSCRATCH版でも良いかと思いますが、今回は初心者の方にも適したTRAKTOR PRO 2版を紹介していきます。
名前にいきなりPROと名が付いていますが、これはプロにも耐えうるという意味合いですので、むしろプロと同環境でのDJプレイが出来るんだと思ってください。
では、どういったことが出来るのか、TRAKTORは何が優れているのかを紐解いて行きます。
それでTRAKTOR PRO 2って何が出来るの?
TRAKTOR PRO2はPC・MAC用のDJソフトです。
そう、逆を言えばDJソフトでしかありません。
ということは、今お使いのPCやMACにインストールすることができます!
はい、 フリー版が公式サイトにあるので、もうここまで読んで気に入った方は是非インストールしてください!w
と、冗談は置いておいて、あくまでソフトなので本当にその気になればすぐ使えることができます。(フリー版は30分の制限時間があります)
つまり、ソフトということはPCだけでもDJプレイが完結できますし、ネイティブインストゥルメンツ製の機材や、他社製の機材などにも設定さえすれば使うことが出来るというわけです。
これがどういうことかは今はピンとこないと思うので割愛しますが、のめり込んでいくほどに将来性を感じることがきっと出来ると思います。
TRAKTOR PRO 2の出来ること
繰り返しますがTRAKTOR PRO 2はソフトウェアです。
従って、出来ることはとても、とても多いです。
そして、出来ることが多いがゆえに多種多様な表現ができ、また、その機能性に戸惑うことも出てきます。
そこで、TRAKTOR PRO 2のメリット・デメリットを一言で言い表してみます。
- メリット…スゲー何でも出来る!!
- デメリット…はぁ?あれやるにはどうしたらいいの??
って感じですw
ですので、最初は分からないことが多いのは否めません。
ですが、それらが段々と解決できていけば、いつの間にかより多様な表現も身についていくことに繋がっていくと思います。 (まぁ個人的な感想としては、そんなに難しいことはありません。DTMの方がよっぽど…ゴホッゴホッ)
TRAKTOR PRO 2の出来ること 具体的に!
一言で言い表しても意味が無いので、具体的に掘り下げていきます。
個人的には、以下の3つがTRAKTOR PRO 2を使い始めた際にとても重宝出来るポイントになります。(ハードウェアではなく、あくまでソフトウェアの話です。)
TRAKTORのGoodポイント!
- 4デッキ
- SYNC
- iTunesとのシームレス同期
4デッキ
これは簡単に言うと4つの音源、例えばA、B、C、Dという4曲を同時に鳴らすことが出来る機能です。
基本的にDJは曲を繋いでいく作業が最も重要なので、AからBへ、BからAという形で曲を変えていく必要があります。
つなぎに関する記事も書いています。DJにとっても最高に気持ちいい『つなぎ』のテクニックとは? こちらも合わせてご覧ください。
ですので、DJをするためにはデッキ(レコードやCDが回るプレイヤー)が最低二つはないとプレイが出来ません。
そのためデッキが2つあるのは当たり前なのですが、TRAKTORの場合はPCDJ用のソフトウェアなので最初から4つあるのです。(他のソフトでも4つあったりしますがw)
デッキが4つある恩恵としては、プレイ上のミックスのことは一先ず置いておくとして、先ずは選曲がとてもしやすくなります。
デッキが二つの場合はA、Bをそれぞれ繋いでいくという作業の間に、次の曲を選ぶ作業が必要になってきます。
この時、プレイ中の頭では次の曲を考えながら、プレイしていない(曲がかかっていない)方のデッキに新しい曲を設定することになります。
慣れればどうってこと無いのですが、最初はこれが意外にもあたふたします。
頭の中では次のような感じです。
- デッキ1でAをかけた
- デッキ2でBの準備
- AからBへ繋ぐぞ
- Bに繋いだ
- デッキ1にCをセットするぞ
- うーん、あれが良いかな?これが良いかな?
- え?Bもう終わっちゃうの?
- やばい!やばい!
みたいなことを最初はしがちです。
ところが、ここで4つデッキがあったら?もうお分かりですよね。
あらかじめリストを作る選曲の仕方であっても、その時々の選曲であっても、余分に曲をデッキに設定出来ることで余裕が生まれるんです。
例えばA、B、Cデッキまで使って、Dデッキを予備デッキとしていつでも使える繋ぎの1曲を設定しておき、最悪の場合の備えをしておくような使い方も出来るわけです。
もちろん事前準備をしておくことが大事なのは言うまでもありませんが、その時の流れで何が起こるか分からなかったり、状況によって選曲するのがDJプレイです。
この、どんな状況でも繋ぐことを考慮しておく上で、4デッキのありがたみは必要十分に恩恵があります。
逆に4デッキだと混乱するという方は無理して4つを使わず、2つのみにしておくこともできます。
SYNC機能
これ、正直素人から脱するとあまり使わなくなるのですが、それでも初心者にはあると重宝します。
SYNC機能とは、A、Bという曲のBPMを自動的に同期してくれる機能です。
BPMとは、Beats Per Minuteと言い、1分当たりの拍の数を表します。
つまり極端に言ってしまうとキックドラムが1分間に何回鳴るかという数字です。
これは曲によって当然変わってきます。
拍数が少ないものや多いものなど千差万別です。
ダンスミュージックでは、ジャンルによって大体のBPMが次のように共通化されています。
- HOUSE…120〜128くらい
- TECHNO…126〜135くらい
- TRANCE…130〜140くらい
(あくまで目安です。時代や流行によってこれらは変わってきます。)
このBPMについて、DJはBPMを合わせて曲を繋ぐことが求められます。
BPMが合わない曲同士を繋いでいくとキックドラムの音(拍)が当然ずれることに鳴るので、綺麗に聞こえることはおろか、聞いていてとても不快な状態に陥ります。
この状態を作らせないために、DJは必ずBPMを合わせる必要があるわけです。
このBPMを合わせるために、偉大な先人達はピッチ合わせというテクニックを生み出しました。
ところがこのピッチ合わせの習得はそんなに簡単ではありません。
それなりに練習と経験を要します。
基本中の基本ではありますが、初心者が最初に遭遇するテクニックの壁です。
つなぎに関する記事も書いています。DJにとっても最高に気持ちいい『つなぎ』のテクニックとは? こちらも合わせてご覧ください。
そこで機械的にそのテクニックを補ってしまおうというのがSYNC機能なのです。
使い方の極端なイメージとして、BPM120のAが既にかかっていて、次に繋ぎたいBのBPMが128である場合、ここでBをSYNCさせるとあら不思議、Bが勝手にBPM120に下がってくれるのです。(BPM128であるBを先にかけていて、BPM120であるAをSYNCさせると、AのBPMが128に上がります。)
もうね、すごいです。一発です。
何も考える必要も余地もありません。
TRAKTORはこの機能がとても正確で、恐ろしいほど素早く合います。
それ故に誰もが認めているTRAKTORのメイン機能になっています。
この機能のおかげで、初心者の方にはとても心強い味方になってくれるわけです。
最初は、SYNCを使うのはちょっとなぁとか四の五の考えず、堂々と使ってみてください。
DJの曲を繋ぐという気持ち良さが存分に味わえます。 (ただし、すべての曲が合うわけではありません。ダンスミュージックではない曲では、BPMが途中で変わるものも多くあります。)
また、BPM128の曲が120になるということはテンポが相当遅くなりますし、逆の場合は早くなります。
ある程度曲を繋ぐことに慣れてくると、この、曲のスピード変化をどう対応するかによって、自身のプレイへの影響を考慮しなくてはならなくなります。
これは誰もが知っている曲ほどBPMを変えると「早すぎ!、遅すぎ!」が分かってしまうということです。
iTunesライブラリとのシームレス同期とは?
皆さんiTunes使ってます?使っている方は朗報です!!
TRAKTORでもiTunesライブラリとの連携が完全にシームレスに行われます!!
これは、iTunesに登録した曲、CDからリッピングした曲、appstoreで購入した曲たちがそのままTRAKTORのソングリストにも並ばれます。
つまり、何百、何千という曲をiTunesで管理している場合、TRAKTORが自動的にiTunesの同期をしてくれるわけです。
逆にiTunesで管理していない場合は、登録したい曲を手動でTRAKTOR側へ読み込ませる必要があります。
そして、このシームレス同期が大変便利!PCを使うDJはそもそも、何千、何万という曲数の単位をPCに保存しています。
すると、それらのお気に入りの曲や自身のプレイに合った曲を集めるのもかなりの一苦労だったりします。
そこで、音楽ソフトでプレイリストを作って管理したりするわけですが、これがDJソフト側でも同じことを繰り返すのは愚の骨頂でしかありません。
しかし、iTunesを使用しているだけでTRAKTOR側への同期がされるということは、iTunes上で作ったプレイリストもTRAKTORに自動的に同期がされるわけです。
この凄さを、iTunesで曲を管理している前提で順を追って説明すると…
- iTunesでプレイリストを作る
- TRAKTOR起動
- TRAKTORにiTunesで作ったプレイリストが表示!(これがスゴイ!)
- 試しに曲を繋いでみる
- ちょっと雰囲気が合わない…
- iTunesに戻ってプレイリストを修正
- TRAKTORで再同期
- TRAKTOR側のiTunesプレイリストも修正される!(もっとスゴイ!!)
- 再度繋いでみる
- (繰り返し)
しかも、しかも、iTunesでメモとして記載したコメントまで表示してくれます!これはもう素晴らしいとしか言いようがないです!
普段iTunesを使っていればいるほど、このシームレスな同期に感謝すること間違いありません!!
わざわざ、TRAKTORを開いてプレイリストを新しく作る必要が無いのです!!(もちろんTRAKTORでもプレイリストは作れます)
是非、PCDJでプレイしていくならこの恩恵を受けていただきたいです。
ここまでをまとめると
- 4デッキのおかげで、選曲時の余裕が生まれる!!
- SYNCのおかげで、曲同士のBPMが自動で合ってくれる!!
- iTunesライブラリとのシームレス同期のおかげで、曲とプレイリストが簡単に管理できる!!
ざっと個人的に思う、初心者へのTRAKTORオススメポイントです。
次は、TRAKTOR PRO 2のスゴイところ!を紹介します。