はじめに
今回は、サーバーが受け持つサービスの一つである『ファイルサーバー』について解説していきます。
では、ファイルサーバーとはどのようなものなのでしょう?
結論から言えば、ファイルサーバーとは『ユーザー同士でデータを共有できるようにするサーバー』です。
ファイルサーバーとは『データ共有サービスを提供する』サーバー
ユーザーはクライアント(PCなどの端末)で各種データを作ります。
それはOfiice系のファイルであったり、業務の中で必要になるあらゆるデータに及びます。
しかし、それらのデータを他のユーザーに共有しようとした際に、USBメモリなどのメディアに移しておこなうやり方は、今ではとてもスマートとは言えません。
なおかつ、その大事なデータが入ったUSBメモリを外部に持ち出せば、今度はセキュリティ上の問題も絡んできます。
そこで、もっと簡単に安全にデータを共有できるようにしたサービスが、ファイルサーバーになります。
ファイルサーバーは、ユーザーが作った各種データを他のユーザーと共有できるように、ネットワークを介してファイルサーバーの中にデータを保存することができます。
イメージとしては『倉庫』のようなものになるでしょう
データ自体はテキストファイルやOffice系のファイルなどが主に保存されるとは思いますが、クライアントのHDDなどの要領では保存しきれないデータなどもファイルサーバーに移しておくことができます。
また事業部全体や社内全員に特定のファイルを見てもらいたいときなど、社内の連絡事項にも使えるでしょう。
とにかく業務で共有できるデータはどのようなものでも保存でき、ファイルサーバーを通して他のユーザーに共有や提供ができます。
ファイルサーバーが無い場合におこなっていた、USBメモリなどのメディアを使った煩わしいデータのやり取りがこれでなくなるわけです。
また、離れた場所であっても、本社と支社というようなネットワークで繋がっていれば、いつでもファイルを共有したり閲覧が可能になります。
この場合、外部のインターネットではなく専用のネットワークを使うので、ファイル流出の危険性も低く安全にやり取りが可能です。
ファイルサーバーはユーザーにアクセス権を持たせられる
ユーザーが作成したあるデータを、ファイルサーバーに保存はしたいが社内全員には見られたくないという場合があります。
例えば経理部などが作成、管理する会社の会計データなどです。
こういった会社特有のデータは、閲覧していいユーザーが限定されていなければなりません。
その理由は、重要なデータになればなるほど、社員の誰もが見ていいわけではないからです。
こういった状況の場合は、ファイルサーバーが持つアクセス権というものを利用することができ、フォルダやファイルなどのデータに対しアクセスの権限を付与できます。
アクセス権を利用すると、フォルダやファイルにIDとパスワードが必要になるので、権限を限定されたユーザーにのみ『閲覧』や『変更』が可能になります。
こうすることで、会社内の重要なデータの流出や漏洩が抑えられ、安全に管理することが可能になります。
ファイルサーバーのデータは管理がとても大事
ファイルサーバーは複数のユーザーが操作することになるので、フォルダ管理やファイル管理をきちんとしておかないと煩雑になっていきます。
その理由はアクセス権を持っていれば個人個人でフォルダを作ることができるので、その場所にどんどんユーザーが作ったデータを保存していってしまうからです。
すると、当然ながらそのユーザー以外、誰がどこに何のデータを保存しているかが分からなくなります。
これでは、せっかくのデータ共有を目的としたファイルサーバーを構築したのにもかかわらず、全くファイルサーバーの意味がなくなってしまいます。
またあるユーザーが、そのファイルの重要性を知らず、たまたま『ファイルを削除してしまった』なんてことが無いとは言い切れません。
そうなると、ファイルサーバーはパソコンと違い、『ゴミ箱から取り出すような仕組みにはなってはいない』ので、そのデータはもう元には戻りません。
フォルダやファイル管理をしっかりしていなかったせいで、せっかく作成したファイルが、二度と見られなくなる可能性は捨てきれないわけです。
したがって、ファイルサーバーを利用する場合、『フォルダやファイルの管理が必須』になります。
必ず管理者、もしくはそれに該当する人物がファイルサーバー利用時のルールを策定し、ユーザーの区分けやどのようにフォルダを作り、何のデータを保存するかを明確にしなければなりません。
そうしないとどこに何が保存されているか誰も分からなくなり、とても使えないファイルサーバーになっていってしまうでしょう。
まとめ
ファイルサーバーのサービスは、会社内のネットワークではもはや切っても切り離せないサービスです。
このサービスのおかげで、はるかに業務を効率化できるようになりました。
しかし、それはデータの保存ルールなどが管理されてあってのことです。
闇雲にファイルを置いておけばいいわけではないので、しっかり管理して使いたいものです。